1.本題
『ラーマーヤナ』には「カバンダ」という羅刹が登場しま~す。インドラとの戦いの後遺症で腹に顔がついていま~す。
さてここで、Wikimediaのこのページをご覧くださ~い。カバンダを描いた、タミル・ナードゥ州セーラム県アヨーディヤーパッティナム区のラーマ寺院の壁画の写真が掲載されていま~す。
この寺院のこのカバンダの壁画は、現在wikipediaの日本語版・英語版・フランス語版・中国語版の一枚目の画像として使用されていま~す。当のタミル語版でも二枚目の画像に使われていま~す。
インドでこの壁画にどの程度の影響力があるかはともかく、wikipediaおよび英語・フランス語・中国語・日本語の世界的影響力を考えれば、世界中に「カバンダといえばこんなキャラ」というイメージを与えているのはこの壁画だと断言してもいいでしょう。
続いて、邪蒼鎧デルメゼをあるタイミングを見計らって撮影した、以下の写真をご覧くださ~い。
おわかりいただけたでしょうか、色も形状も例の壁画と似ているどころか、ポーズまで似ていま~す。
単に「腹が顔」というだけならルバンカの色違いを出すほうが容易だったでしょうから、あえてパルミオ2世の骨格を流用したのは、この形状とポーズに強いこだわりがあったからと考えるのが自然で~す。
これにより、以前書いた過去記事「聖守護者の闘戦記を『ラーマーヤナ』で解釈してみました。するとガートラントと「守護」の相性の良さの理由まで見えてきました」で主張した、「聖守護者の闘戦記は『ラーマーヤナ』から強い影響を受けている」という主張が一層強く証明されました。
もちろん他からの影響がないわけではありませ~ん。過去記事「児童文学『ユリエルとグレン』がラダ・ガートとガミルゴの物語に与えた影響についての考察。そしてユリエル君の正体とは」も再度紹介しておきま~す。
2.先行者への仁義
なお本稿の発表に先んじてツイッターで「俺私」さんがこのアイディアを語られました。お見事で~す。当該発言へのリンクを貼りま~す。
3.余談
今回の件を通じ、「世界レベルの知名度を誇るキャラクターの図像などが近所にあるならば、wikiを使って村おこしや寺の再建が可能かもしれない」と思いました。