ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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『ドラゴンクエストII』の冷戦構造の鍵を握る一兵士

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1.大灯台の兵士

 『ドラゴンクエストII』で大灯台はドラゴンフライが5匹同時に登場することもあるため、相当レベルを上げても苦戦しま~す。ファミコン版は特に苦戦しま~す。ローレシアの王子が仮に「もょもと」であったとしても、他の二人が死んでしまうと徐々にHPを減らされていき死にいたりま~す。

 そんな恐ろしい大灯台の最上階に兵士が一人生き延びていて、「わたしは ずっと まえから ここで ハーゴンの しんでんを みはってきた」と主張するので~す。

 もょもとでも一時間持たないであろうこんな危険地帯で一人で生きているということは、『VI』の海底宝物庫のキラーマジンガと同じく、ドット絵ではただの兵士でも非常に強いのでしょう。それならハーゴンにも勝てそうで~す。

 最初に彼に会ったときは、そんなに強いのにただ見張っているだけの彼の態度が理解できませんでした。ムーンブルクの戦いで役立たずだった件は「ずっと まえ」というのが陥落後のある時点と考えれば何とか説明できるとしても、このまま見張っているだけでは次の戦いでも役立たずで終わりそうで~す。

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2.SFC版のおかげで一気に解釈が進む

 この兵士はSFC版では、「ロンダルキアには普通の人間は立ち入れない」という情報も語ってくれま~す。これで一気に解釈が進みました。

 そこまでわかっているのに見張っているということは、「ハーゴンを倒すならば、原則として彼がロンダルキアからのこのこと出陣してきた瞬間を狙うしかない」と考えていることになりま~す。

 つまりハーゴンを討つ機会を狙うため、次の出兵の動きを見逃さないようにしているので~す。

 人類の側でも何らかの手段でそこまで事情がわかっているので、ロンダルキアに近くても大灯台からの援軍が間に合いそうなテパやムーンペタでは住民がみな呑気にしているのでしょう。ハーゴン軍にトラウマがあるはずのムーンブルクの王女も含めて、「ここなら安全」と皆が思っているというわけで~す。

 そしてロンダルキアに近いのに大灯台から遠いペルポイでは、逆に住民全員が地下街に退避したというわけで~す。あの程度の入り口では時間稼ぎにしかなりませんが、時間さえ稼いでしまえばやがて大灯台から援軍が来るというわけで~す。

夕月夜「途中まで一人の兵士しか根拠がない話だと思っていましたが、ペルポイとテパの意識の差まで説明してしまうとは」

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3.『ドラゴンクエストII』は冷戦であった

 前章で説明したように、ムーンブルク陥落後のハーゴンは大灯台のせいで手詰まりとなりました。

 しかし人類の側でもロンダルキアに大軍を送ることはほぼ不可能であり、「じゃしんのぞう」入手後ですらそれは極めて困難でした。

 そういう冷戦のような状況であれば、ハーゴンも人類もやれることといえば相互に暗殺部隊を送り合うことぐらいだったというわけで~す。

 そしてハーゴン側の暗殺者であるじごくのつかい(SFC版ではあくましんかん)は任務に失敗して捕虜となり、人類側の暗殺者である主人公たちは任務に成功したというわけで~す。

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