ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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キュロノスが、現代を自身と発展強化型ヘルゲゴーグの主な活躍場所にした理由

0.問題提起

 本日の記事は前回の記事の続編的色彩が濃いので、まずそちらをお読みくださ~い。

 さて、前回はキュロノスの三大プランを紹介しましたが、どのプランにおいても少し奇妙だったのが、現代を羽化の時代として選んだことで~す。

 とりわけ第二プラン、すなわち四体の発展強化型ヘルゲゴーグを修行させてエネルギー不足を補うプランにおいては、現代という時代は最悪に近いで~す。何しろ、勇者と盟友なんていう厄介な敵がいましたからね~。

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 『アストルティア創世記』25ページの設定によれば、魔王が外部からアストルティアに侵入すると勇者と盟友が覚醒するらしいので、本来なら勇者のいない時代を拠点としたほうが楽だったでしょう。

 そして実際にも、発展強化型ヘルゲゴーグの修行は盟友によってことごとく邪魔されました。とりわけネロスゴーグは修行させるつもりがかえって弱くなってしまったという件は、前回紹介したとおりで~す。

 なのでキュロノスがなぜこのような「ハードモード」を選んだのかについては、以前研究した大魔王マデサゴーラがあえて「ハードモード」を選んだ件*1と同じく、しっかり研究すべき対象だと考えました。

 とりあえず「勇者姫没後」というイージーモードを採用しなかった理由はほぼ自由かつ無数に考えられそうなので、「勇者姫覚醒以前」というイージーモードを採用しなかった理由から考えてみました。

1.単独では不合格になった仮説集

 この章で紹介するのは、決して「棄却仮説集」ではなく、その一言で終わらせるわけにはいかないアイディア集で~す。後述の結論と決して矛盾するわけではありませ~ん。

※「キュロノスは勇者姫と盟友を舐め切っていたせいで、むしろ程好い敵がいてレベル上げに最適な時代だと誤解したから」

 初手であるネロスゴーグの修行についてだけは、この仮説で合格点がもらえるかもしれませんね。でもその後もこの失敗から何も学ばなかったのは流石に無能すぎますね。だから、この仮説だけで話を終わらせるのは自己採点では不合格となりました。

※「ゾンガロンがジーガンフを一時的に堕落させる歴史が、覆せない確定事項だったから」

 これも要因の一つかもしれないと、今でも思っていま~す。でもこれだけでは、「修行の時間帯をずらしてやる配慮も可能だったかもしれない」とか「それが無理でもジーガンフ事件の直後に活動を開始すれば、勇者姫は覚醒前で盟友は覚醒直後のヒヨッコだった」などの反論に潰されてしまいま~す。

※マローネがファラスを約5012年後に送ったので、生物の全滅という事業を一回で終わらせるには、その時代あたりにまで行くしかなかった」

 これもやはり要因の一つかもしれませ~ん。でも先程のジーガンフ仮説と同様、自分の最後の事業は5012年後の世界でやるとしても、発展強化型ヘルゲゴーグの修行の時期までそれに合わせる必要性は乏しそうで~す。

2.実は時渡りが苦手だった時獄獣キュロノス

 ここで時元神キュロノスの「まめちしき」を読んでみましょう。

 まず「時獄獣の肉体を滅ぼすことで 自身の能力に最適化した形態に 構成しなおすことこそが キュロノスの真の狙いだった」とありま~す。時獄獣の状態だと、本来の能力が発揮できなかったようですね~。では肉体が足枷となって発揮できなかった能力とは何でしょうか?

 その回答もここに書かれていました。「時元神に進化したキュロノスは 肉体の制約に縛られることなく 時渡りのチカラを自在に使う 神にも等しい存在へと至った」とありま~す。なーんと、時獄獣の肉体のせいで制約されていた能力は時渡りでした~。

 時獄獣は、時見の源泉から製造されたキュロノスが中核となっても時渡りが苦手なので~す。だから肉体部分の材料であった「発展強化型ヘルゲゴーグ4体」ときたら、時渡りは苦手中の苦手であったことでしょう。

 この設定が最大のヒントである気がしたので、これを研究の糸口にしました。

3.4.0以前の時代を選ばなかった理由

 時獄獣の素材である「発展強化型ヘルゲゴーグ4体」のそのまた素材となった「特別な 魔獣」が原獣プレゴーグであり、これが竜神の心臓のエネルギーで孵化したことは、これまでの記事で語ってきたとおりで~す。

 そしてその「竜神の心臓」がキュロノスの手に落ちたのは、3rdディスクの最終決戦の直後であり、心臓自体の正当な時間軸は現代ということになりま~す。

 ならば、「時渡りが苦手であり、かつ現代の心臓の力で孵化した」という設定を持つプレゴーグたちには、「本籍時が現代」という体質が強く刻み込まれ、「他の時代に行きにくい」とか「行けたとしても現代滞在中のフォステイルのようにMPの消費が激しい」といった設定が生じた可能性がありま~す。

 こう考えると、「勇者姫の覚醒より前の時代でがんばる」というタイプのイージーモードが選択不能だったことまでは説明ができま~す。

4.勇者姫没後の時代を選ばなかった理由の推測集

 では逆に、「勇者姫没後の時代でがんばる」というもう一つのイージーモードを選ばなかった理由はなぜでしょうか?

 これについては、前述の通り理由はかなり自由に考えられるので、中でもまともそうなものを集約し、軽く紹介するにとどめま~す。

※「重要物の寿命に関連する事情のせい」

 竜神の心臓の本来の時間に縛られるとしても、時獄の迷宮に籠城した上で、自然の時間の流れに任せて勇者姫の老衰を待つという手もあったはずで~す。

 でも発展強化型ヘルゲゴーグの寿命が短いとすれば、先に籠城側のほうが滅んでしまいますね~。

 あと剥き出しになった後の竜神の心臓にも寿命があったとすれば、「心臓を100年放置してから孵化させ、プレゴーグの本籍時をナドラガの死後100年ごろとする」という手も使えませ~ん。

※「現代以後は時獄獣の育成がますます困難になることが時見でわかっていた」

 ビャン・ダオ皇子の研究院入りや天才プクラスの誕生により、アストルティアの科学技術は今後急速に進歩しそうですね。かつて量産されていた旧式砲台と最新の砲台とでは数十倍の性能差があることも、公式設定で~す*2

 今後どんどん七種族が力をつけてくれば、空中に浮かぶ繭なんかミサイルでイチコロになるのかもしれませ~ん。

 あるいは逆に第三勢力である異界滅神ジャゴヌバの天下となり、やはり発展強化型ヘルゲゴーグの修行どころではない時代になっていた可能性もありま~す。

 4.5前期の後日談では、現代のさらに1000年後もまだジャゴヌバの天下になっていませんでしたが*3、あれはあくまでバイロゴーグの細胞を回収したりゾンガロン問題が完全解決したりした歴史の延長線上の話ですから、この仮説が正解である可能性も十分ありま~す。

※キューブが他者を時渡りさせるには縁が必要であり、キュロノス所属の部下や施設は5012年後の世界までしか行けなかった。

 エテーネルキューブのキュルルが他者を時渡りさせるには、行きたい時代と場所に何らかの縁があることが必要だという設定は、散々聞かされてきました。

 そしてこの設定がキュロノスにもあったならば、5012年後から来た主人公がエテーネ王宮を歩き回った痕跡やナドラガの心臓を元に異形獣や繭を5012年後の世界に送ることはできても、それ以上の未来には当初から送れなかったと考えることも可能で~す。

 現にキュロノスは、アルウェーンの戦いで主人公らと引き分けかけたとき*4、4.1ラストのとき*5のように追加の異形獣を投入するのではなく、大人しく撤退していきました。

 それまではほぼ引き分けだったので、あそこで援軍を少し投入すれば圧勝できていたかもしれませ~ん。それをしなかったのは、そもそも「できなかった」と考えるのが自然で~す。

 この説は、「勇者姫覚醒以前のイージーモード不選択」のほうの説明にも使えそうですね~。