ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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アストルティアの海は、いつ存在し始めたのか?

0.はじめに

 本日は「アストルティアの海は、いつ存在し始めたのか?」について考えてみました。

 海については、長らく「ルティアナがアストルティアを作るときに作ったんだろう」ぐらいに思っていたのですが、神話を調べてみるとそんなに単純な話ではないことがわかってきました。

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1.海の起源が語られない『アストルティアの始まり』

 不思議の魔塔にある『アストルティアの始まり』(以下、『の始まり』)には以下のように書かれていま~す。

 「創世の女神ルティアナは 星海の果てより 混沌に満ちた時空に たどり着き 世界を創るという 偉大な奇跡を行われた。 女神が手をかざすと 混沌は7つに分かれ 天空を浮遊する ひとつの大地と 大海に浮かぶ 6つの大地が 生みだされた。 これが アストルティアと呼ばれる世界の 始まりの神話である」

 これを普通に読む限りでは、創生の最初の作業である混沌の七分割で創られたのは七つの大地のみであり、「大海」はそれ以前から混沌の別物として別個に存在していたことになりますね~。

2.不自然なほど海が語られない『アストルティアの神話』

 次に『アストルティア創世記』(以下、『創世記』)の20ページにある『アストルティアの神話』(以下、『の神話』)を読んでみました。

 「ルティアナは永き旅の果てに、混沌とした塵芥の漂うだけの薄暗い空間へと辿り着いた。 ルティアナが光を生み出して虚空を照らすと、 空間に漂う混沌とした塵芥がみるみる寄り集まって大地が生まれる。 創生の力を授かったルティアナの光がもたらす奇跡だった。 大地を照らしだす光はそのまま太陽となり、 大地を成した塵芥の余りが寄り集まって月となった。 太陽と月はそれぞれに大地の周りを巡りだして、 ひとつの世界を成したという」

 こちらは逆に不自然なほど海の話題が避けられていますね。

 日本語の「大地」が単複同形なので断言はできませんが、普通に読む限りではこの時点では大地はまだ単数であり、星全体を意味しており、海なんてものが仮にあったとしてもそれは大地の表面上の付属物にすぎないという雰囲気がありま~す。

3.どちらがより信用できるか?

3-0.総論

 では『の始まり』と『の神話』のどちらが信用できるかですが、星月夜は『の始まり』のほうが真実により近い可能性が高いと考えておりま~す。

 理由は以下のとおりで~す。

3-1.地学の成果との比較

 星月夜が先行研究を参考に今まで明らかにしてきたアストルティアの地学に基づくと、「レンダーシアを中心とする六大陸は、大きな星の大きな海の、極めて狭い範囲内に密集している」と考えるべきなので~す。

 なぜなら、アストルティアは球形の天体であるというのに、六大陸の一番東と一番西とで太陽や月の位置がほとんど変わりませ~ん。

 それだけなら「主人公はルーラのたびに多少の時渡りをしている」という弁解も成り立ちますが、六大陸の一番北でも、極地付近では観測できることが匂わされている「白夜」のような現象が観測できませ~ん。この白夜の件については「アストルティアには地軸の傾きがない。しかし白夜が生じる余地はある。季節が生じる余地もある」という記事で詳細に語りました。

 ちなみにその記事の執筆後、白夜の対義語である「極夜」という単語もアストルティアに存在することが、ゼルメアの新ボス「極夜の剣帝」の登場で判明しました*1

 そうであるのに、大地こそが星の主体であるかのように書かれていたはずの『の神話』を読み進めると、21ページに七柱の種族神について「彼らは母神が創った世界に存在する大地を七つに分け与えられて、 各々がそこに住まう七つの種族を創りだした」という記述がありま~す。

 大地を七分割したにしては一柱あたりの取り分が狭すぎますし、また密集しすぎてますよね。百歩譲って仮に五方向に「領海」がほぼ無限大に広がっているとしても、もっとも母に愛されたはずのグランゼニスの取り分が狭すぎま~す。

3-2.『の神話』は、原本の一部抜粋である

 なお、「だから『の神話』を書いたロッサム博士はおかしい」とまでは主張しませ~ん。なぜなら『創世記』の20ページには、「ロッサム博士による著作「アストルティアの神話」の内容を一部抜粋、要約したものである」と書かれていま~す。

 つまり『の神話』の原本では、『創世記』の20ページで紹介された記述と21ページで紹介された記述の間に「その大地は七つあり、内六つは近隣の水の塊の巨星に着水し、内一つはその上空に静止した。 それまで七大地の周囲を回っていた月と太陽は、以後はその巨星全体の周囲を回るようになった」と書かれていたかもしれないので~す。

 この場合は『の始まり』と大きな矛盾がないことになりま~す。

3-3.ロッサム博士自身が不思議の魔塔を評価

 『の神話』を読み進めると、種族神たちは今どこにいるのかという神話からは確たる結論を得られない問題については、不思議の魔塔と六聖陣が研究のブルーオーシャンであることを認めていま~す。

 『の始まり』が魔塔から得た知見にもとづくゾーネス派の著作なのか、それとも魔塔から多くの知見を得たのちもゾーネス派にとってまだ参考になる書籍の一冊だと思って所持していた他人の著作なのかは不明ですが、どちらにせよ尊重に値する書籍だということで~す。

3-4.人魚の存在とその文明

 キュララナ海岸との往来が活発な深海では、人間族でもウェディ族でも魔族でもない人魚が文明を築いていま~す。

 そして海上の一年が深海の一日であり、一つの世界とは思えないほどの大きな断絶がありま~す。海上と深海の縁なんかより、海上と魔界の縁のほうがずっと強そうですよね~。

 この設定では、海上で36524年経過しても深海では100年しか経過していない計算になるというのに、深海が海上と比較して極端に文明・文化の遅れがあるという雰囲気はありませ~ん。

 やはり大地と大海の間には大きな断絶があり、大地のほうがこの星の新参者という感がありま~す。

3-5.簡単に海に沈む大地

 堅牢な大地が先にあって、後からその表面に海が溜まったのであれば、大地はそう簡単には海に沈んだりはしないでしょう。

 しかし大地の竜バウギア一匹が少し本気を出しただけで、オーグリード大陸は海の藻屑になるという設定がありま~す。あとメガロダイン一匹が地底で地脈エネルギーを食べ漁っただけで、大陸に準ずる規模の大エテーネ島が簡単に沈んでしまうという設定もありました。

 やはりアストルティアの大地は、大海にかろうじて浮かんでいるたよりないものなのでしょう。

4.結論

 アストルティアの海とは、ルティアナがその表面の極一部を占領するはるか昔から存在していた、水の巨星である。

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  • メディア: 大型本