0.はじめに
鍛冶系職人の「メーター減少」・さいほう職人の「布復活」・木工職人の「木材復活」の対象マスの決定方法の調査をしました。
かなり苦労して時間をかけた調査であったのでその過程を全部語りたい気持ちもあったのですが、一度手法を語った実験は「同様の実験」の一言で終わらせました。
1.鍛冶系職人の「メーター減少」の対象の調査
1-1.総論
鍛冶系の職人の一部のレシピにある特性「メーター減少」について、いわゆる『魔人本』の110ページでは「もっともゲージが伸びているマス(ゲージが成功ゾーンに収まっているマスをのぞく)に加えているチカラが、12~16減る」と書かれていま~す。
「もっともゲージが伸びている」とは随分と曖昧な表現で~す。
どのマスがもっとも伸びているのかの判定方法が「単純な数値の大小」でも「ゲージの見た目の単純な長短」でもないことは過去の経験から明らかでした。成功ゾーンの数値が高いマスの大きな数値や長いゲージが、成功ゾーンの数値の低いマスの小さな数値や短いゲージに負けていると判定されることなんて、日常茶飯事で~す。
よって「もっともゲージが伸びているマス」の判定は成功ゾーンとの何らかの相対評価であることまでは明らかでした。
しかし成功ゾーンとの相対評価といっても、比較対象は「成功ゾーンの最少値」・「成功ゾーンの最大値」・「その回の正解値」の三種類が考えられましたし、比較方法は「引き算」・「割り算」の二種類が考えられました。
この計六種類の仮説の優劣は経験からは判定できなかったので、実験に頼ることになりました。
1-2.実験
メーター減少の特性を持つ「ルフの盾」で実験をしました。成功ゾーンは高いマスが145~151、低いマスが90~98で~す。
高いマスと低いマスに様々な数値を入れてどちらが「もっともゲージが伸びているマス」とみなされるかのデータを採取していき、終盤では「ねらい打ち」によってあわよくば「その回の正解値」も採取し、最後に前節で紹介した六大仮説を棄却するための計算をしま~す。
これを繰り返すうちに「「その回の正解値」は関係ない」・「比較方法は割り算」まで判明しました。
そこで最後は意図的に(128,83)という勝負の状態を作りました。128/145は83/90より低いですが、128/151は83/98より高いので~す。
この最終決戦で128側が勝ったことにより、「メーター減少の対象となる「もっともゲージが伸びているマス」は、「加えたチカラの数値 / 成功ゲージの最大値」によって判定される」という小結を出せました。
ちなみに成功ゾーンの数値が低い「スライムベストレイ」を使って、「成功ゾーンを超えたマス同士の勝負」までしてみましたが、この小結と同じ結果になりました。
1-3.一位が複数あった場合の調査
ここで急に気になったのが「ではこの式で引き分けたらどうなるのか」で~す。
前節のルフの盾の151と98のようなコンビでは互いに素なので、この実験には不向きで~す。
そこで今度は「ドラゴンシールド」で実験をすることにしました。成功ゾーンの最大値が168のマスと120のマスとがあり、このコンビの最大公約数は24なので引き分けが作りやすいで~す。しかも引き分けが成立するときに120のマスのほうに加えた力の数値は必ず5の倍数になるので、非常に計算がしやすいで~す。
実験を開始するとやがて(70,50)というケースに二度出会えました。70/168と50/120は等しいので、これは「加えたチカラの数値 / 成功ゲージの最大値」では引き分けで~す。
そして一度目では70側が勝ち、二度目では50側が勝ちました。
おかげで早々に「一位が複数あった場合には、メーター減少の対象となる「もっともゲージが伸びているマス」は、その中のどれが選ばれることもある」と小結が出せました。
1-4.結論
以上により結論は「メーター減少の対象となる「もっともゲージが伸びているマス」は、「加えたチカラの数値 / 成功ゲージの最大値」によって判定される。一位が複数あった場合には、その中のどれが選ばれることもある」としました。
2.さいほう職人の「布復活」の対象の調査
さいほう職人の「布復活」の「一番縫われているマス」(『魔人本』213ページ)についても、同様の実験手法で対象の決定方法を調べました。
すると結論は「布復活の対象となる「一番縫われているマス」は、「縫った数値 / 理想値」によって判定される。一位が複数あった場合には、その中のどれが選ばれることもある」となりました。
つまり「割り算で比較する」というところまでは鍛冶系職人のメーター減少と同じでしたが、比較対象たる「割る数」については鍛冶系における「その回の正解値」に当たる「理想値」が布復活では使われており、鍛冶系における「成功ゲージの最大値」に当たる「理想値+4」は使われていなかったということで~す。
3.木工職人の「木材復活」の対象の調査
木工職人の「木材復活」の「一番削られているマス」(『魔人本』175ページ)についても、同様の実験手法で対象の決定方法を調べました。
すると結論は少々複雑になりました。
成功ライン未満のマス同士では、さいほう職人の布復活と同じシステムでした。すなわち「木材復活の対象となる「一番削られているマス」は、「削った数値 / 理想値」によって判定される。一位が複数あった場合には、その中のどれが選ばれることもある」でした。
しかし成功ライン超過のマス同士では、「木材復活の対象となる「一番削られているマス」は、「削った数値 - 理想値」によって判定される。一位が複数あった場合には、その中のどれが選ばれることもある」となりました。ここにきて初の引き算の登場で~す。
4.調理職人の「メーター減少」の調査は挫折
4-1.『魔人本』の表現の時点で異色
調理職人版の「メーター減少」は、『魔人本』255ページに「もっともゲージが伸びている具材」が対象とされていました。
マスではなく「具材」なので、ひょっとすると1個で2マス分が埋まる大きな具材では、より複雑な計算が使われているのかもしれませ~ん。
いきなり面倒そうで~す。
4-2.初歩のつもりの実験で挫折
そこでまずは「スタースイーツ」で実験をすることにしました。これなら1マス素材しかないので計算が楽だと思ったので~す。
これで今までと同様の手法の実験をして基礎的な計算式を作ってから、大きな具材の設定に挑もうとしたので~す。
ところがこの初歩のつもりだった実験で、いきなり恒例の六大仮説がすべて棄却されてしまい、もう挫折に終わりました。
4-3.失敗の原因の推測
ここで思い出したのが、以前やった職人関連の計算式の調査において、調理職人の「焼き戻し」だけが異常に複雑であったということで~す*1*2。
「焼き戻し」が複雑化した原因は不明ですが、「焼き戻し」も調理職人版「メーター減少」も類似のシステムであるので、同様の原因で「メーター減少」も複雑化しているという可能性は非常に高そうで~す。
4-4.今後の展望
現在、2人のメインキャラは職人の称号等をコンプリートするための作業をしており、しかも2人ともすでに「百戦錬磨のシェフ」になっているので*3、貴重な週1000回枠を浪費して調理の困難な実験を継続するわけにはいきませ~ん。
もう1キャラは調理職人のレベルが低すぎて複雑な実験に耐えられませ~ん。
よって当分は未解明のまま放置して、「ギルド関連でより優先的な目標がなくなる」かまたは「アスフェルド学園の部活動に調理が加わって実験がし放題になる」かが達成されたのちに実験の再開を検討することにしま~す。
夕月夜「そんな日が来る前に、読者の皆様の中から実験を引き継いで下さる偉大な調理職人が登場することを、切に願っておりま~す」
(以下2023年6月9日追記)
調理職人に戻ってから実験を繰り返しましたが、考え得るあらゆる基準において「もっともゲージが伸びている具材」とは言えない具材のメーターが減少するケースが多発したので、「これはもう『魔人本』255ページの記述が間違っているのだ!」という結論に達しました。
これにて調理職人の調査も終了としま~す。