本日は巫女クラメとダフィアの名前に込められた意味を分析していきま~す。
1.クラメ
星月夜が考えるに、クラメの最大の語源は「目を眩ます」で~す。
これに対しては「鞍馬」や"clam"のほうが近いという反論も想定しておりま~す。
それへの再反論の第一としては、「物語の中でクラメが多くの人を操り騙した」ということが挙げられま~す。「目を眩ます」というのは、文字通りの意味としては「相手の視界を暗くする」ことですが、転じて「相手を騙して真実を見失わせる」ことの比喩としての意味も持っていま~す。
再反論の第二は、後述する「ダフィアの語源との類似性」で~す。過去記事「「バルディア山岳地帯」の隣が「ザハディガル岩峰」なのは、語源を用いた高度なダジャレでした」では、「「バルディア」→「パルティア」→「安息国」」・「「ザハディガル」→「サバティカル」→「安息日」」という隣接二地域の語源の類似性を指摘しましたが、クラメ・ダフィアの師弟にもこれに似たセット効果が組み込まれているので~す。
2.ダフィア
2-1."daffy"
日本語で「ダフィー」と表記される外来語にはアイルランド系の姓の"Duffy"と英語で「馬鹿な」を意味する"daffy"とがありますが、どちらも語源を遡っていくと「黒」・「暗い」・「不明瞭」などを意味する印欧祖語"dʰewbʰ-"にたどり着きま~す。
これらはまさに「相手の目を暗くする」と「相手を騙して真実を見失わせる」であり、前述の「クラメ」と深い共通性があるといえま~す。
2-2.ダフ屋
まず「ダフィア」という表記を「ダフ」と「ィア」に分けま~す。そして母音"i"は直後に母音が来ると容易に子音"y"に近づくので、「ィア」は「ヤ」みたいなものになりま~す。以上をもう一度つなげて読むと「ダフ屋」で~す。
「ダフ屋」は、「フダ屋」の語順を意図的に並べ替えることで「普通のお札屋さんとは別物である、悪辣な札屋」という意味を持たせた言葉で~す。
6.2メインストーリーのアシュレイの回想では、ダフィアは宗教家の立場で手製のお守りを配布していました。この場面だけを見ると彼女はいかにも「お札屋さん」で~す。
そしてそのお守りの一つは、レオーネを石化させるためのものでした。その真相を知ってからダフィアを見ると彼女はまさに「悪辣な札屋」であり、「ダフ屋」の名にふさわしいといえましょう。
2-3.マフィア
レベル3の悔恨の園にいる宗教家は「勇者誕生の預言を 巫女さまがたまわった日に 我らの栄光は始まったのだ。 (中略) 神聖ゼドラ王国の 誕生であるぞ!」と語るので*1、神聖ゼドラ王国の成立と発展を通じてダフィア傘下の宗教系の派閥が台頭していったことがうかがえま~す。
「マフィア」は本来は「シチリア発祥の反社会的組織」の意味でしたが、転じて「公的組織内部の、合法的とはいえ頑迷で強力な派閥」という意味も持つようになりました。
ダフィアらは神聖ゼドラ王国を食い物にする強力な派閥であり、特にレビュール族からはマフィア視されたことでしょう。