1.二人のフィア
昨日の記事「NPC固有名詞資料集 イベント編 その8 お月見」のためにフォルモンティ村を取材たことで、「預かり所フィア」の名を知りました。
防衛軍の敵である「芳墨の堕天将フィア」と同名だったので、「珍しい同名のNPCのまとめ」シリーズ*1に登録しました。
普段ならこれは流れ作業で終わるようなことであり、わざわざ別個に記事にするような話ではありませ~ん。
2.クレルらとの類似性
しかしここで、芳墨の堕天将フィアの容姿が魔女グレイツェルと酷似していることを思い出しました。
この魔女グレイツェルは、元来は偽りのメルサンディ村の平凡な少女クレルでした。
そしてその偽りのメルサンディ村も、預かり所フィアの住むフォルモンティ村も、真のメルサンディ村をモデルにパンパニーニが作り上げた架空の世界が具現化したもので~す。
この時点で少なくとも随時更新記事「予型構造のまとめ」に掲載するに値する類似性で~す。
3.背景に同じ原理か?
3-1.総論
加えてこれは単なる予型構造ではなく、背後に同一の原理が作用している可能性がでてきました。すなわち『小さな英雄ザンクローネ』のクレルから生まれた魔女グレイツェル(強)がやがて現実のアストルティアにも出現したように、『満月の夜の物語』の預かり所フィアから生まれた魔女が現実のアストルティアでも暴れ始めたのが芳墨の堕天将フィアの正体なのではないかということで~す。
以下、その根拠となる話を書いていきま~す。
3-2.「この世ならざる美をもって」
芳墨の堕天将フィアのまめちしきには、「この世ならざる美をもって」とありま~す。「この世のものとは思えない」という比喩ではなく、本当に「この世のものではない」存在だと明記されているわけで~す。
よって芳墨の堕天将フィアが異世界出身であることは確実な公式設定で~す。まずこれが大前提となりま~す。
3-3.パンパニーニの実績
次に芳墨の堕天将フィアがどの異世界から来たかが問題となりま~す。
この点パンパニーニに「魔女グレイツェルのような姿と乗り物のキャラをデザインした」という実績があるので、同じデザインの芳墨の堕天将フィアも原作者がパンパニーニであるという可能性が一番高いということになりま~す。
またパンパニーニには「綴った物語が具現化した」という実績もしっかりありま~す。
3-4.没ネタからも強敵は発生したという前例
預かり所フィアと会話をすると、所謂「悪堕ち」の片鱗すら感じさせませ~ん。これは原則としては本稿の主張への反論に使える傾向で~す。
しかし魔女グレイツェル強はパンパニーニが「ボツネタとして封印した狂気」だったものですが、通常版とは別個に具現化しました。
ならば同様に、最終遺稿版とは別の「預かり所フィアこそが真の黒幕」という没ネタから強力な魔女が発生して現実にも被害を与えるということは、十分にありえま~す。
3-5.没ネタが存在する確率が高い
『満月の夜の物語』の主題は「人狼」で~す。誰が(悪い)狼なのか不明なまま、夜に人が徐々に食われていくという話で~す。
ならば最終遺稿版のタロと同様に、「モントーもまた、怪しいけど黒幕ではなかった」という没ネタのストーリーも、パンパニーニの脳内には無数に存在したことでしょう。
もちろんその中には「預かり所フィアこそが真の黒幕」というルートもあったことでしょう。
3-6.ミシュアのケースもある
また現在プレイヤーが目にする預かり所フィアが、仮に没ネタを含めて完全に芳墨の堕天将フィアと無縁だったとしても、やはり預かり所フィアこそが芳墨の堕天将フィアに進化したという可能性もあるので~す。
偽りのメルサンディ村の住民だった金髪のミシュアが「実は勇者姫だったので、今後は現実世界で活躍します」という形で村から消えたのち、代役としてすぐに黒髪の地味なミシュアが「昔から住民だった」という設定で住民の一員となりました。
ならばフォルモンティ村の魔女の預かり所フィアが「今後は現実世界で活躍します」という形で物語から抜け出たのちに、現在プレイヤーが目にする地味な代役が登場したという可能性もあるということになりま~す。