星月夜は、どのメンバーを最後の戦いに連れていくかで迷いました。
やはり偽ウェスリーと遺恨のあるアイゼル先輩は絶対に外せませんね~。そして次に連れていきたいメンバーは、生前の真ウェスリーを知るクラウン先輩でした。しかしその次となると、残る四人とも、真ウェスリーおよび偽ウェスリーとの関係性がほぼありませんでした。
そこでいっそのこと、ラスボスに三人で挑む縛りをすることにしました。ついでに道具も禁止で~す。全員のレベルをカンストさせてしまっていたので*1、これぐらいしなければ楽しめないと思ったので~す。
遺跡の最下層に突入の前、アイゼル先輩は真ウェスリーの日記を読み上げました。これでようやく、なぜ実家で死んだはずの真ウェスリーの残留思念が学園に漂っていたかがわかりましたね。この日記にこびりついていたのでしょう。
最下層では、案の定偽ウェスリーが待ち構えていました。
偽ウェスリーは、自分は弟だと認めて欲しかっただけだと弁明しましたが、アイゼル先輩は和解をかたくなに拒否し、戦いを挑みました。
星月夜としては対話で解決したかったのですが、アイゼル先輩は意固地ですね~。偽者だという理由だけで殺そうとするのは残酷ですし、まして先月と違って今や一歩対応を間違えば世界が滅ぶという状況なのに、なぜここまで意固地になれるんでしょうか?
肉親を亡くした者は自分以外にも大勢いるから自分だけズルをするわけにはいかないというのが、アイゼル先輩の理屈でしたが、世界中の人々の多くは、その程度の不公平が放置されることよりも、滅亡の危機に瀕することのほうがイヤだと思うのですが……。
まあ交渉が決裂した以上は、星月夜も全力で戦いましたよ。
偽ウェスリーは戦闘で敗けると、精霊の力で「狂乱の破壊神」へと変化しました。
おお、これは破壊神シドーではありませんか! なんと美しい! 何と神々しい!
ファミコン版の『ドラゴンクエストII』のシドーは、自分にとって一番思い出深いラスボスで~す。
会心の一撃と偶然効いたイオナズンのおかげでハーゴンを低レベルで倒せた途端にシドーが出てきました。このとき、ローレシアの王子ですら10程度しかシドーにダメージを与えられず、それでいてベホマも連発され、こてんぱんにされてしまいました。
古代人の多くは対処不能な災害を目の当たりにして「神」という概念を体得したのでしょうが、自分においてはその初めて出会った人智を超えたスーパーパワーこそがファミコン版のシドーだったので~す。
だからずっとシドーと戦いたくてしかたがなかったので~す。去年ドラゴンクエストシリーズ30年記念で竜王と戦えたときには、「来年はドラゴンクエストIIの30周年記念でシドーと戦えたらいいな」と思ったもので~す*2。そして竜王の次に再来したラスボスがゾーマだったときには本当にがっかりしました*3。しかし今こうして、ちゃんとシドーに出会えました。
音楽も「死を賭して」でした。これは名曲な上にあまり使われないので、聞けてよかったで~す。この希少価値の高い曲を安易に多用しないでいてくれて、ここぞというところで使ってくれたのは嬉しいで~す!
「どうせ死ぬなら世界を道連れに!」という願望によって登場する点でもちゃんとドラゴンクエストIIの再現になっていましたし、祭壇の前で登場するという点も再現されていました。
そして星月夜が偶然採用した、「三人で挑む縛り」も、しっかりドラゴンクエストIIIの再現になっていました。これはもう運命としか思えないで~す。
ある程度痛めつけると、ベホマを使ってきました。そうそう、これでこそシドーですよ。
ベホマが使えないスーパーファミコン版のシドーなんて、偽物で~す。そんな偽物に存在価値なんてないですよ。
苦戦の末に倒して姿を偽ウェスリーに戻したのですが、特に弱った様子はなく、戦おうと思えばまだ戦える雰囲気を出していました。でもフウキ委員と戦うよりも、さっさと世界を滅ぼすことを考え、空に飛んでいってしまいました。
この展開は評価できますね~。狂乱の破壊神がいくら強いといっても、教練の先生を全部合わせたほどではないですから、戦闘で倒して全部解決ならば、「それならば生徒に押しつけず、先生たちで何とかすればよかったじゃん!」という文句が来そうですから。
狂乱の破壊神は、自分の破壊活動の邪魔をされないよう、フウキのメンバーを遺跡の最下層に閉じ込めて去っていきました。これがかえって災いして、フウキ委員は現地に残っていた精霊アスフェルドの力を利用し、自分たちの強い願いによって上空の破壊神の身動きを封じました。
この展開もいいですね~。武力では完全には狂乱の破壊神を倒せなかったものの、その本拠地を奪えたことが幸いしたのですから、先の戦闘が決して無意味ではなかったことになりますから。
そこへバウンズ学園長がスキルマスターとその弟子三名を連れて帰還し、この五人の攻撃がトドメとなって破壊神は消滅し、アスフェルドの力を再び封印できる状態になりました。
スキルマスターの三人の弟子、サリアス・ディエゴ・タッツィが、過去のシリーズで召喚できたサムシン・デアゴ・タッツウと同一人物であり、そうであるなら最強の弟子としてバズウに当たる者もいるはずだと思われていましたが、バウンズこそがバズウだったのですね。
ちなみにバズウのそのまた元ネタは、アイルランドの戦神の"Badb"(バズブ)であると思いま~す。何となく「バズズ」とも発音の近い神ですが、あちらの元ネタはアッカドの神である「パズズ」ですね~。バズブはワタリガラスの神なので、バウンズ学園長はそれにちなんで黒服を着ているのでしょう。
あと、10月にクラウン先輩が石化したときに、学園長が8月に石化したエリシャ先生ごと呪いの解除を願おうとした「私の知る ある人物」って、この展開から考えるに、どうやらスキルマスターのようですね。しかしリソルが一瞬で解除できた呪いを、半年経ってもまだ解除できないとは……。
さて、精霊の力を封印することも支配することもできるかのようなことをいわれたので、当然ながら支配することにしました。星月夜ならばこの力を適切に使うことができますから。
ところが委員たちに反対され、仕方なく封印することになりました。残念。
こうして物語はエンディングへと突入し、称号「伝説の転校生」も得られました。
エンディングの卒業式の場面では、5月のサブストーリー「赤点はもうヤバイ」の依頼者である、赤点まみれのレッド先輩*4の姿もありました。近くにクラウン先輩やセレン先輩といったまともな生徒が座っていたので、無事に卒業できたようですね。
ところがエンディング後にレッド先輩に会いに行くと、サブストーリー終了直後と同じセリフしか喋ってくれませんでした。その内容たるや、卒業式がまだ遠い先であり、卒業式にはセレン先輩と一緒に行動したいというものでした。
百歩譲って、仮に二人とも同時に卒業が取り消しになったという設定があったとしても、「結局留年してしまったぜ!」などの一言が欲しいところですね。ここは減点で~す。
他にも、エンディング終了後に自分の着衣がなぜか冬服になってしまうというバグがありました。これも減点要素で~す。
ただやっぱり、最大の減点要素は、世界に対して敵意のなかった願いの少年を、「強い」という理由だけで粛清の対象にし、相手が決死の覚悟で刃向かってきたところを倒して大団円という展開に対して、疑問を述べる委員がいなかったことで~す。
日常的な学園生活自体は楽しかったんですけどね~。