1.タケ家
アズランで駅から領主の館に行く道の途中のT字路に、公式で「タケ家」と呼ばれる家がありま~す。郵便局や温泉とも近いので一等地ですね~。
住人は「マエタケ」・「マイタケ」・「シール少年マツタケ」の三兄弟で~す。
だからこの家では、「タケ」が日本人の「苗字」に似た機能を持っているのでしょう。完全に一致する概念とまでは断言できませんけど。
親らしき人物はいませんが、三男にすぎないマツタケが趣味の付き合いのために大量の小さなメダルをくれたり、次男が将来への投資として様々な職業の調査のためにふくびき券をばらまいたりしているので、かなり羽振りがよさそうで~す。
富といい立地といい、ゼクレスでいえばベラストル家ぐらいに当たりそうですね~。
現在の領主「タケトラ」の名前にも「タケ」が入っているので、タケ家はひょっとしたら領主家から臣籍降下した分家なのかもしれませ~ん。
2.ラ家
エルフの上流階級がエルフの一般的な命名法則をほとんど守っていないことは、以前別の記事で書きました。
しかしタケ家の例から、上流階級は「苗字」という別の法則には忠実なのかもしれないと考えました。
手始めに領主家の人々を列挙してみたところ、「領主タケトラ」・「カザユラ」・「フウラ」と、全員「ラ」がついていました。
「タケトラ」がいかにも「武虎」という日本人の名前っぽいのでずっと気づかなかったのですが、「武人・羅」ともみなせるというわけで~す。
他家から嫁にきたはずのカザユラまで「ラ」がつくのは、偶然なのかもしれませんし、夫婦同姓にするため「カザユキ」などから改名したのかもしれませ~ん。
3.ロイ家
カミハルムイ王家の男性は「ナシュロイ王」・「ニコロイ王」と、どちらも「ロイ」がついてますね~。
「ロイ」はローマ字表記すると"roi"になり、これをフランス語読みすると「王」を意味する「ロワ」となりま~す。また英語の"royal"の影響もあるかもしれませ~ん。いかにも王家ですね~。
女性は「リン姫」・「リタ姫」でこの法則から外れますが、「リ」という共通点がありますね~。"roi"が語頭にくるときは二重母音部分が変化して"リ"のほうに近い発音になっているのかもしれませんね~。
ひょっとするとアズラン領主家の「ラ」姓も、この「ロイ」や「リ」から変化したものであるのかもしれませ~ん。分家だから発音を少し変えたとか、方言とか、そういった事情が考えられますね~。
なお他家から来た「アグシュナ」はこれらの法則から完全に外れていますね~。なので必ずしも夫婦同姓ではないようで~す。
(5月30日加筆段落)コメントのおかげで、レンドア南にいる「イヌロイ」もまたこの一族の一人ではないかという見解に至りました。詳細はコメント欄にて。
4.(ア)ミ家
現在ではまだ成り上がりの「シラナミ」ですが、子孫が「モクアミ」であり、モクアミの祖母のヨシトクが「家」という概念を持っていたので、この一族は千年後には男性限定で「ミ」または「アミ」を姓として持った可能性が高いですね~。
5.レキさん一家
これらに対して、現在のシラナミから見れば名家であるレキさん一家は*1、一族で意味上のつながりこそあれ、発音上は完全にはつながっておりませ~ん*2。
この家は生活のために娘を離縁させて政略結婚させようとすら考えていたぐらいなので、タケ家と比べるとやや格落ちで~す。
5.一般人
ハマユリとセンカの母娘は、意味上の多少のつながりがあるだけですね~。
さらに紹介人ワシナとモトイの母娘などは、意味上のつながりすらありませんね~。ひょっとしたら何かつながりがあるのかもしれませんが、そうだとしても一瞬ではわからない微弱なものだということには変わりありませ~ん。
6.法則について
以上を見るに、本稿第2章で立てた仮説は正しそうで~す。
エルフの上流階級はエルフの一般的な命名法則を軽視する代わりに、「苗字」やそれに近いものを持っているという傾向があるようで~す。そして中流になると、苗字の影響力が弱まるようで~す。