1.メタルドラゴンの性能への疑問
メタルドラゴンのまめちしきには、「魔界のからくり技師集団が その技術の粋を集めて作った 最終兵器」とありま~す。
メタルドラゴンってモンスターリストの序列では系統内の最下位種ですから、当初は「この程度のモンスターが最終兵器だなんて、魔界の技師集団も大したことなさそうだ」という感想を持ちました。
クエスト「芸術のヴェールをはぎ取れ」で魔界にはまだカメラがないという設定も明らかになったので*1、ますます魔界の技術を軽視する気分になりました。
2.メタルドラゴン再評価への道標
しかし実は「最終兵器」の名にふさわしい敵だったのだと、あとで気づきました。
「最終兵器」設定の擁護のヒントとなったのは、夢現篇のスカーレットナイトで~す*2。
このゲームには、「プレイヤー側はHPが低いけど回復が得意」で「敵はHPが高いけど回復が不得意」という一般的な傾向がありま~す。
なおヒューザやユシュカのようなプレイヤー側のときと敵側のときとで同一人物のキャラにすらそういう二大傾向があるので、キャラによっては自力でのモードの切り替えができるのかもしれませ~ん。
そしてスカーレットナイトの「ベタン」は相手の最大HPに依存するものなので、元々HPが低いプレイヤーにとっては大した脅威でない一方で、「HPバカ」とでもいうべき敵側には致命的なダメージになりま~す。なのでマホカンタさえしてしまえば対スカーレットナイト戦は非常に楽になるので~す。
大魔王マデサゴーラと人間の国々とが激しく争っていたレンダーシアの地で、紅衣の悪夢団が十年以上の長きにわたって第三勢力としての地位を維持できたのは、このプレイヤーの敵勢力には強いベタンのおかげもあるのでしょう。紅獣バズレッドが主人公と戦う前にまずスカーレットナイトたちの粛清を断行したのも*3、それだけベタンが脅威だったからだと思いま~す。
3.メタルドラゴン再評価
この件から、ダメージが相手のHPに依存するメタルドラゴンのミサイルもまた、ベタンと同じく魔界のモンスターたちには脅威なのだと気づいたので~す。
魔界のモンスターがメタルドラゴン入りの敵パーティと戦った場合、強者でも頻繁にHPを四分の一にされたあげく最後は軽い通常攻撃のダメージで死んでしまうことでしょう。
ユシュカのように「低HPの回復優先型」モードに切り替えができる連中なら何とかなるかもしれませんが、魔王級の敵からモードの選択肢を奪うことにも戦場では一定の意味がありま~す。
しかもやっかいなことに、メタルドラゴンは「なかまよび」で増えるので~す。
魔界においてはまさに最終兵器といえましょう。
4.アストルティア側の最終兵器にも採用?
アストルティア側の兵器で「最終兵器」設定があるのは、「まめちしき」で「古代王国を守護する 最終兵器として作り出された」とあるダークネビュラスと、モンスター格闘場で「古代の最終兵器」の別名が与えられているネビュラスレプリカで~す。
どちらもHP依存ダメージのミサイルを撃てるので、あれもまた対魔界勢戦においてこそ真価を発揮する兵器なのでしょう。
コンセプトのみならず外見までメタルドラゴンに似ているので、ひょっとしたら魔軍から鹵獲したメタルドラゴンを元に発明されたのかもしれませ~ん。
他にも「ファラオ・ルドラ」の外部装甲とか「ゼドラゴン」とか、アストルティア製やその可能性が高い兵器には、似たようなミサイルを積んだものが多いですね~。
5.余談
以前「ドラゴンガイアがネロドスの後釜になれなかった理由を考えてみました。アクバーとの意外な共通性が明らかになりました」という記事で、プレイヤーにとってはベリアルより手強いドラゴンガイアが、本人たち同士の戦いではベリアルより弱いということを語りましたが、本章で語った内容もそれに似ておりますね~。
「プレイヤーにとってのモンスターの強さと敵同士の戦いにおけるモンスターの強さの間には大幅なズレが生じることもある」という教訓は、今後も覚えておきたいもので~す。
(2021年10月7日追記)
よくよくリストを読み返してみたところ、Sキラーマシンは「人類せん滅のため魔界科学の 超技術を詰め込み設計された」と書かれていました。
やはり魔界の軍事技術は高く、対人類戦用にはスーパーレーザーのほうがミサイルより便利だとわかっていてこういうものを作り、魔界内部での戦争用には最終兵器としてミサイルを搭載したメタルドラゴンを生産したのでしょうね。