ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

デルクロアがアストルティアに亡命した時期についての研究

0.本稿の目的

 デルクロアがアストルティアに亡命した時期については、いかにも最近であるかのような印象を与える根拠もあれば、相当以前であるかのような印象を与える根拠もありま~す。

 そこで本稿では「最近」説と「相当以前」説のそれぞれの根拠を紹介し、星月夜自身の立場を最後に語りま~す。

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1.「最近」説の根拠

1-1.アストルティアで最初に会ったのが主人公だとタンスが主張

 クエスト「タンスの奥義」では、タンスが「ご主人さまとボクは この世界に来て 最初に出会った者に キーを与えたでンス。 ……それが Xさんだったでンスよ」と語っていました。

 「大昔にアストルティアに来てから長年誰にも会わずに研究を続け、それが一段落してから研究室の鍵を開けた」という可能性もゼロではないので、これは「最近」説の絶対の根拠だとまではいえませ~ん。

 しかし亡命が最近である可能性を高める設定ではあるでしょう。

1-2.「こんなにも早く」というデルクロアの認識

 クエスト「デルクロアの研究」では、地上制圧隊の偵察兵に対して「こんなにも早く 見つかってしまうとはな」と語っていました。

 つまり本人の認識では、この時点は亡命の日から数えて間もない時期だった可能性が高いので~す。

 1.0のザイガスのセリフでもすでに匂わされていたことですが、5.0から魔界の生物の寿命の長さがますます強調されるようになり、これは根拠としては徐々に弱くなってきました。

 しかしながら、まだまだ侮りがたい根拠といえましょう。

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2.「相当以前」説の根拠

2-1.『魔瘴弾開発日誌』

 魔瘴弾を使った戦争を繰り返したことで自分たちの住むバルディア山岳地帯を魔瘴まみれにしてしまったバルディスタですが、『魔瘴弾開発日誌』によるとデルクロアのアストルティア亡命は少なくともその魔瘴弾の開発の日よりは以前のようで~す。

 しかもこの日誌が書かれたころには「身内同士の 権力闘争に 負けて」逼塞していたゼクレスの大貴族は、現在ではすでに再び権力を取り戻しているようで、大魔王やゼクレス王に頼らずに一諸侯の立場で「地上制圧隊」を編成してアストルティアの侵略を企図しているようで~す。

 古参プレイヤーの中には、物語の配信開始の地球時間の時系列のせいで、どうぐ使いの職業クエストが終わってからしばらくしてこの大貴族が権力闘争に負けて逼塞したかのような印象を持ってしまったかたも多いかと思いま~す。でも先に5.0までメインストーリーを進めてからどうぐ使いのクエストを受注することも可能なので、逼塞はゲーム開始以前の時期の一時的なエピソードと解釈をするのが正しいでしょう。

 つまりデルクロアの亡命の日からどうぐ使いの職業クエストまでに、「デルクロアを雇っていた某大貴族が身内同士の権力闘争に敗れて逼塞」→「バルディスタが魔瘴弾開発成功」→「逼塞していた某大貴族の華麗な復活劇」が、目まぐるしく起きたということになりま~す。

 これら一連の事件がほんの数日間に集中していた可能性もゼロではないので、「相当以前」説の絶対の根拠とまではいえませんが、日誌を重視する限りは「相当以前」説に傾きやすくなりま~す。

2-2.モンスター酒場

 クエスト「どうぐ使い誕生」の時点で、関連モンスターのスカウトの書がモンスター酒場では安価に売られていました。しかもそれを買ってくることもクエスト達成の条件の一つでした。

 このスカウトの書の説明文に「どうぐ使い用の スカウトの書 使ったらなくなる」と明記されているので、やはり大昔からどうぐ使いが存在したと考えるほうが自然で~す。

2-3.ハンコに押された背中

 サブストーリークエスト「ハンコに押された背中」*1では、主人公がそのときに就いていた職を、若き日のスタンカとグラガドがともに目指していたことになりま~す。

 つまり彼らの若い頃から、デルクロアが発明したどうぐ使いという職がアストルティアに存在したということになりま~す。

2-4.ラクシィ

 『蒼天のソウラ』の12巻の31ページでは、500年前の世界が再現されたRPGの中の登場人物であるラクシィが「どうぐ使い」と紹介されていま~す。

 このブログでは『蒼天のソウラ』の設定を「準公式」と位置づけていますが*2、前章で挙げた「最近」説の根拠はどれも公式の設定ではなく登場人物の発言にすぎないので、『ソウラ』の内容も決して無視できない対抗馬だというわけで~す。

2-補足.サポート仲間

 これは一見「相当以前」説の根拠のようで実はそうではないという件で~す。

 4thディスクから行けるようになった1000年以上前の世界の酒場でも、「どうぐ使い」をサポート仲間として借りられま~す。

 しかしそれは1000年の歴史しかない天地雷鳴士についても同様なので、この件については「サポート仲間は郵便物と同じく時空を超える」ぐらいに解釈しておくべきで~す。

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3.折衷説

3-1.折衷説ができるまで

 どちらの説も捨てがたくて数日間迷っていたのですが、突如として両立のための光明が見えました。

 「最近」説を基調としつつ、かつ「相当以前」説のうち2-1のみを厳粛に受け止め、「1~30年ぐらい前に亡命した。これならザイガスのセリフから考えるに魔界基準ではつい最近のこと」と主張するという、折衷説を思いついたので~す。

 ではどうやってそんなに都合よく2-2・2-3・2-4の三大根拠を軽視するのかというと、鍵となるのはマスターキーで~す。

 どうぐ使いへの転職の条件は、特別な修業や認可によるものではなく、「デルクロア製のマスターキーを持ってダーマ神官に会うこと」で~す。これは「どうぐ使い誕生」の終盤のタンスの発言から明らかで~す。

 だからデルクロアがアストルティアに亡命する前でも、何らかの手段でデルクロア製のマスターキーを入手しさえすれば、どうぐ使いになれるので~す。

 そして2-2・2-3・2-4の三大根拠は、あくまで昔からアストルティアにどうぐ使いがいた可能性が高いというだけの話であって、デルクロアが昔からアストルティアに住んでいたという話ではありませ~ん。

 だから「デルクロアがアストルティアで最初にマスターキーを渡したのが主人公であっても、それ以前から他の経路で一定数のマスターキーがアストルティア内で流通することは可能」という筋書きさえ作ってしまえば、この折衷説が成り立つので~す。

3-2.折衷説を成立させる筋書き

 たとえば、デルクロアが500年以上前に魔界で「どうぐ使い」という職を作り、どうぐ使いになった魔族や魔物の一部がアストルティア民にマスターキーを奪われれば、デルクロア本人が亡命する前にアストルティアでも細々とどうぐ使いの伝統が始まることでしょう。

 もしくは、エテーネ人やフォステイルなどの時渡りのできる者が、亡命後のデルクロアからマスターキーを受け取って亡命以前の時代の住民にそれを渡していたならば、やはりデルクロアの亡命以前から少数ながらアストルティアにはどうぐ使いがいたことになりま~す。

 また、1000年後の未来人と6000年前の英雄を兼任したプクラスが、「強化ガジェット零式」の後継技術である「強化ガジェットZ式」を使えたことは、5.3まではクエスト「アンケートにご協力をー♪」*3のゲームの独自演出の可能性もありましたが、5.4で登場した「プクラス・光」バッジに付与された効果の内容から、史実であったことがほぼ確定しました。だからプクラスによる模造品のマスターキーが一定数遺されていた可能性もありま~す。

4.結論

 新しい情報が配信されればまた見解が変わるかもしれませんが、現時点では折衷説こそが星月夜の立場で~す。

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(12月12日追記)

 『アストルティア秘聞録』の28ページにより、デルクロアの亡命は13年前というのが公式設定になりました。

 星月夜の「1~30年ぐらい前」説の大体中間ぐらいなので、嬉し~!