ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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大魔瘴期はアストルティアでこそ予言されていた!

1.魔界の新参者の異常な卓見

 5.3での勇者一行と魔王たちの会談に話を限ると、アストルティア側のほうが大魔瘴期の到来を疑っている状態でした。

 ところが長めに見積もってもそのほんの約300年前を描いた5.5前期のムービー「ユシュカの過去」では、魔界で大魔瘴期の到来を知っていたのはマリーンだけのようでした。ユシュカがどれだけマリーンから学んだ知識で魔界中を説得しようとしても、誰もそれを信じようとしなかったので~す。

 そんな脅威が迫っていると判明していれば、民や小権力者を服従させるために宣伝に努める権力者もいたでしょうから、当時は本当にマリーンしか大魔瘴期の到来を知らなかったのだと思われま~す。

 そしてリィンがジャイラジャイラと合体してマリーンになったのは『アストルティア創世記』の14ページの「砂漠の狼王の治世」を参考にすると約300年前なので、ユシュカと会った時点のマリーンは魔界においては新参者だったわけで~す。

 だから、「マリーンが魔界でゼロから異常に努力をして研究をして、魔界で最初に大魔瘴期の到来を見抜いた」という可能性は低そうで~す。

 よってマリーンがユシュカに教えた大魔瘴期の到来とは、マリーンがアストルティアですでに得ていた知見を中心に構築された仮説であったのでしょう。そしてこの知見が欠如した状態では、マリーンの仮説を信じる者は少数派だったというわけで~す。

 5.0の段階ではユシュカ以外の魔王も大魔瘴期の存在を前提にしていましたが*1、これは地球で長年かけて様々なデータが集まることで地球温暖化説を信じる学者が徐々に増えていったのと同じような変化であると思われま~す。

雨月「タイムリーなたとえ話やな~」

2.アストルティアにおける大魔瘴期予測とは?

 魔瘴が活性期と衰退期を繰り返していることと、ある活性期に世界が滅びるだろうという程度の予測は、ドルワーム水晶宮の『魔瘴に関する調査報告』でも書かれている内容で~す。

 でもそんな程度の内容ではなく、主人公の活躍の主な舞台である「今回の活性期」こそが世界の最後かもしれないという予言であってこそ、幼少期のユシュカを突き動かせたことでしょう。

 しかもその「今回の活性期」は、ここ数百年間のある時点で二代目魔仙卿となった兄弟姉妹の介入によって、無理に到来を早められたもので~す。よって「世界が滅びかねない今回の活性期の到来時期が、史実より少し遅く予知されている予言書」なんていうものがもしアストルティアにあれば、まず間違いなくその予言書こそがマリーンの大魔瘴期到来仮説の礎になったことでしょう。

 「そんな都合のいい設定の予言書なんて未登場だ!」と思われたかたも多いかもしれませんが、実は登場していたので~す。

 それはグレイナル叙事詩で~す。

 すでに配信が終了したクエスト「白き剣の下に」のウラード国王のセリフに、「いやいや…… だが 妙ではないか。 グレイナル叙事詩の記述が 真実なのであれば 災厄の王の目覚めは まだ 100年は先に起こる 出来事のはずだが」とありま~す。

 この疑問に、自身が予言者でもある予言の専門家のラグアス王子は、「叙事詩に記載のない 冥王の襲来と…… それによる 魔瘴の世界汚染。 そして レンダーシアの封印」が災厄の王の復活を早めたと答えていました。

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3.のちのストーリーと整合的に解釈する

 のちの物語で、冥王が現代に襲来してエテーネの村を滅ぼすことまでは歴史の確定事項だったと判明しました。

 よってラグアス王子のセリフの「叙事詩に記載のない 冥王の襲来」の部分は、「ネルゲルは、本来の歴史では存在しなかった」ではなく、「ネルゲルとは、改変前の歴史では予言書にも載らない程度の小者であり、魔瘴の衰退期の現代では村一つ滅ぼすのが精一杯だった」と解釈すべきと考えました。

 もちろんネルゲルは一世一代の事業で生み出されたモンスターなので、永遠に小者だった可能性は低いで~す。改変前の歴史でも100年後の魔瘴の活性期には大成したのではないかとは、星月夜も考えておりま~す。

 この立場から因果関係をこう解釈しま~す。

 「兄弟姉妹が大魔瘴期を100年以上早め、歴史を改変した」→「だからアストルティアの魔瘴の活性期も100年以上早く始まった」→「活性期の魔瘴の力でネルゲルが改変前の歴史より100年以上早く大成し、世界の魔瘴汚染をさらに加速させ、レンダーシアの封印にも成功した」→「そのせいで災厄の王が改変前の歴史より100年以上早く目覚めた」

4.オフラインの公式宣伝ツイートもこの説に親和的

 ここでドラゴンクエスト宣伝担当さんの昨日のこのツイートをご覧下さ~い。

 「#DQ10オフライン の冒険の舞台「アストルティア」は、予言されし災厄によって魔に冒され始めてしまった世界」とありま~す。

 「予言されし災厄」を、「『グレイナル叙事詩』に予言されし、災厄の王を目覚めさせる、過去最悪級の魔瘴の活性期」と解釈するならば、本稿の説はほぼ公式設定といってもよいことになりま~す。

 ただし『DQ10オフライン』の舞台が『蒼天のソウラ』の設定以上にオンラインから離れた設定の異世界である可能性もあり、その場合は過去記事「このブログの考察記事における『蒼天のソウラ』の資料としての扱いかたのルールと、その限界について」のルールに従い、「準公式」どころか「準準公式」ぐらいの資料として扱わなければなりませ~ん。

 よって現段階では「ほぼ公式設定」などという勇み足の宣言はせず、「親和的」と宣言するにとどめておきま~す。

5.まとめ

 のちに通説となる大魔瘴期到来仮説を、魔界の新参者のマリーンが魔界で最初に提唱したのは、故郷のアストルティアで事前に前提知識を得ていたからである可能性が高い。

 その前提知識とは『グレイナル叙事詩』である。到来時期の予測と結果の微妙なズレすら含めて、極端に好都合な設定である。

 昨日の『DQ10オフライン』の公式宣伝ツイートも、この説に親和的である。

(12月12日追記)

 『アストルティア秘聞録』の26ページにより、ネルゲルの誕生自体は100年前と決定されました。

 この設定は「ネルゲルは誕生から当分は雑魚だけど、魔瘴の活性期に大物になる」という本稿の立場と親和的で~す。