謝辞
本稿のテーマに挑んだきっかけは、Abel@DQX (Nabechan)さんのツイートでした。Abel@DQX (Nabechan)さんには心から御礼申し上げま～す。
１．挑んだ問題
本稿で挑んだ問題は、「4.3メインストーリーでの主人公による介入前のキュルルは、どのようにして生まれたのか？」で～す。
メインストーリー4.3の3000年前のウルベア地下帝国でエテーネルキューブの素材がそろったのは、主人公がメレアーデの協力を得て時の球根をさらにその2000年前の世界から持ち帰ったためで～す*1。これで完成したエテーネルキューブに、やがてキュルルという人格が誕生したわけで～す。
ところがAbel@DQX (Nabechan)さんが指摘するように、主人公が3000年前の世界や5000年前の世界に行けたのは、そもそもそのキュルルの宿ったエテーネルキューブを兄弟姉妹から譲り受けたためでした。
これについて「因果関係が循環しているが、別にそれで構わない」というのも一つの有力な考え方であり、それが正解の可能性もあると星月夜は認めま～す。これを便宜上「循環説」と呼びま～す。
しかし同時にまた、運営がそうした循環説を公式見解とする日が来るまでは「仮に主人公の介入がなくてもキュルルが生まれていたとするならば、どのようにして生まれたのか？」について考えることにも一定の意味があると考えま～す。
そして後述するように、星月夜はこの問題の回答となる仮説を二つ考えました。
２．「代用品説」の紹介
グルヤンラシュはムービー「エテーネルキューブの起源」で、エテーネルキューブに必要な素材はアルケミダスト・時の球根・ボロヌジウムの三点であると語っていました。
そして時の球根については「錬金術で作り出した代用品で 間に合わせる 予定だった」と語っていました。
このセリフの時点で「改変前の歴史でもどうせ代用品で完成させたのだろう」という「代用品説」が多くの人の頭に浮かんだと思いま～す。
4.3配信からしばらくはこの代用品説こそが主流派だったと思われま～す。
３．4.5で「代用品説」に暗雲
ところが4.5メインストーリーの配信で、「この世界に時渡りをもたらしたのがキュレクスであり、そのキュレクスからギリウスが奪った「時見の源泉」こそが時の球根であり、キュロノスもキュルルもその時の球根から分化したものだ」という設定が語られました*2。
そして「4.0から登場していたキュルルの容姿が、4.3中盤でキュレクスに酷似した容姿へと劇的に変化した」などということはありませんでした。
これにより代用品説は一気に失墜し、それを唱える人は現在ではほぼいなくなってしまいました。
さらには「どうせ代用品なんて机上の空論であり、作れたわけがなかったのだ」と、兄弟姉妹とグルヤンラシュを頭から馬鹿にする人まで出てきました。
４．星月夜の「新代用品説」提唱
しかし兄弟姉妹もグルヤンラシュも作中屈指の傑物で～す。「代用品で 間に合わせる 予定」というセリフは、そう簡単には否定できないと思いま～す。
そこで「ここでいう代用品とは、時見の源泉と無関係に作り出すものではなかった」という、「新代用品説」を提唱しま～す。
たとえば当時のウルベアにも、「干からびた時の球根」ならば残っていたとしましょう。これがそのままの形ではエテーネルキューブの素材に使えないとしても、錬金術で「時の直根」などにすればちゃんと「時の球根」の代用品として機能するとしましょう。
この場合、その代用品はキュレクスから分化したものですから、それによって生まれたエテーネルキューブの時の妖精の容姿がキュレクスに似ていても、不思議ではありませ～ん。
そしてエテーネルキューブの本来の製造法とは異なるので、キュレクス由来とはいえその素材がグルヤンラシュに「代用品」呼ばわりされたとしても、やはり不思議ではありませ～ん。
この「新代用品説」が、星月夜の考えた二大仮説の第一で～す。
５．「確定事項説」も提唱
4.3メインストーリーで主人公が時の球根を取りに行くことになったのは、長年エテーネ人を探していたマリッチに発見されたのを機に、ウルタ皇女に頼まれたからで～す。
「マリッチがギリウス以後の時代から来たエテーネ人を発見し、ウルタ皇女がそのエテーネ人への時の球根の調達の依頼にも成功する」までが歴史の確定事項だった場合、主人公が介入しなくても早晩別のエテーネ人の介入によって、キュレクスに似た容姿の時の妖精の宿ったエテーネルキューブが完成したことでしょう。
4.0から4.3中盤まで主人公が所持していたエテーネルキューブは、かつてそのような経緯で完成していたものだったと考えることもできま～す。
以上の「確定事項説」が、星月夜の考えた二大仮説の第二で～す。
６．「二段階説」の紹介（9月26日追記）
Abel@DQX (Nabechan)さんご自身も本日新説を提唱されました*3*4*5。
要約すると「改変前の歴史では、まず代用品由来の試作品だけが作られ、それを使うことで時の球根も入手できるようになり、それによってキュレクス似のキュルルの入ったエテーネルキューブも完成した」というもので～す。
星月夜はこの説を「二段階説」と分類したいで～す。
