ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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6.2メインストーリー その3 盟友の虚無 & 通常モンスターコンプリート & 『バイオハザード』シリーズの影響 & 諸星大二郎作『生物都市』の影響

 ミトラーにアシュレイのことを報告していると、クリュトスも来て黄金の試練場のエネルギーが不足したという話をしてきました。

 ここでミトラーは、とこしえの神殿の結界用のエネルギーを諦めてでも黄金の試練場を救うという決断をしました。そうなると神殿に収められているアストルティアの楯が無防備になりレオーネの計画通りになってしまうので、とこしえの神殿の防衛をミトラー自身が精鋭部隊を率いて行い、聖天舎全体の指揮はカンティスに代行させるとも決めました。レクタリスの補修の方法もカンティスが知っているので、その指示に従うよう言われました。

 この話の中で「ジア・クト」という名前が出かけましたが、禁忌であるとしてすぐ話題が逸らされました。

 ここでヘルヴェルが転生の園にて目覚めたとの一報があったので、ユーライザが尋問の名目でヘルヴェルを見舞うことを願い出て許されました。

 転生の園は天寿を全うした天使の魂が転生する場所ですが、誰も前世の記憶を覚えていないのだとか。そして花から生まれた天使を取り上げた者がその名付け親になるたしく、ユーライザを名づけたのはヘルヴェルなのだそうで~す。

 星月夜たちがヘルヴェルに会ったときには、ちょうど「モシュネー」という天使が生まれたところでした。

 モシュネーの生誕を見届けた三名の天使たちの名は、地球のヨーロッパでキリストの生誕を祝った東方三賢者の名として伝えられる「メルキオール・バルタザール・カスパール」に因んだ「メルヒオール・ハルダザール・ガスパールだとあとで判明しました。つまりこれは救世主誕生を示唆するようなおめでたい場面だったことになりま~す。

 だから「モシュネーが、あのもうすぐ死ぬとか書いてた駄文『4』の著者の転生でないといいな~」と思いました。

 そこにカンティスもやってきたので、ヘルヴェルは自分がなぜ悪に染まったのかの話を始めました。300年前に上司が突然赤い宝石を飲み込ませてきたらしく、ヘルヴェルはその直後に上司を正当防衛で殺したものの、それ以来自然と聖天舎を裏切るような行動をするようになり、アルビデにも同じく赤い宝石を飲ませたりしたのだそうで~す。

 「赤い何かを無理矢理飲ますと人格が変わって敵の一味になる」って『バイオハザード5』みたいで~す。

 『バイオハザード』といえば、ゼドラの族長の長子アシュレイと護衛役のレオーネのコンビもまた、『バイオハザード4』の大統領令嬢アシュリーと護衛役のレオンのコンビのオマージュの可能性が非常に高いで~す。

 アシュレイ兄弟のかつての敵ゴダのフード今の敵ミトラーの名前も、『バイオハザード4』のラスボスのサドラーのオマージュの要素が多少あるかもしれませ~ん。そしてミトラーの金髪でサングラス」設定も、同作の第三勢力の首領の影響かもしれませ~ん。

 話を戻すと、ヘルヴェルは神化の儀式の前に悪神の火種をレオーネに全部渡しており、儀式の失敗は悪神化する前からのレオーネの計画のようでした。

 ただしカンティスによるとレオーネの肉体の修復時期から考えるに、レオーネ本人が黒幕とは思えないとのことでした。

 その話が終わると、レクタリスの修復の話題になりました。修復装置は白灰のピラーにあるので、カギを持つヘルヴェルは暴走したらユーライザが全力で止めるということを条件に同行することになりました。

 なおこの会話の中でも、天使の先祖が「ジア・クト」から逃れてきたという話が少しだけ出ました。

 なお転生の園の『星導秘録』によると、レトリウスは英雄になるはずだったものの、その魂は回収前に消えてしまったのだそうで~す。

 白灰のピラーの資材倉庫の「聖天のレンズ」でレクタリスの修理を開始。

 でも途中で「レクタ鉱石」が不足すると判明し、フォーリオン造成地へ集めにいきました。

 これがレクタ鉱石が採れる鉱床なのですが、鉱石を1個拾うと色が変わり、当分追加で拾えなくなるようで~す。どういう原理?

 レクタ鉱石を持ち帰ってレクタリスの修理が本格的に始まりましたが、ここでのスキマ時間を利用してヘルヴェルは「ジア・クト」について語ってくれました。

 それによれば「とこしえのゆりかご」を滅ぼした大災害の元凶こそが「ジア・クト念晶体」であり、数万年消えない神代の遺構の赤い霧もジア・クトによるものなのだそうで~す。

 これで魔祖メゼのゆりかご関連の発言*1の信憑性が一気に高まりました。この件はやがて別稿で詳細に語りま~す。

 ここで急に大きな揺れがありました。危機を感じたヘルヴェルはレクタリスが完成したら自分が届けるから、二人はとこしえの神殿に援軍に行くようにと主張しました。星月夜は本来拘束対象である人物を一人で置き去りにすることに躊躇がありましたが、ユーライザは平気のようだったので、特に文句は言いませんでした。

 とこしえの神殿に行くと、戦務室の精鋭たちもクリュトスもフェディーラも、レオーネにコテンパンに敗けて倒れていました。でもミトラーはまだ奥で戦っているらしいので、前進を続けました。

 これがレオーネの心域、「盟友の虚無」で~す。

 今までムービーでしか鑑賞できなかったアシュレイの姿をかたどった像を発見。この像から「つながる心」が生み出されました。

 ガーニハン像からは「くじけぬ心」が生み出されました。

 二代目勇者アジールの像からは、「ひたむきな心」が生み出されました。

 ここにいたハデスナイトを倒し、通常モンスターをコンプリートしました。

 レオーネ像まで来ると、過去のヴィジョンを見せられました。

 巫女の血を引く母から生まれた二代目勇者アジールが、たった一人でヴァルザードに勝つのは無理だと城のレオーネ像の前で嘆いていたら、レオーネの石化が解けたというものでした。

 石化から解除までに数千年経過していましたが、レオーネの体感ではほぼ時間が経過していないようでした。レオーネの石化は、ズーボーが体験した「オイラは 一面が 灰色の世界にいたのだ」が体感のバウギアによる石化*2とは仕様が異なるようで~す。

 「レオーネがヴァルザードとも戦った」というこの設定も、レオンがサラザールとも戦った件の影響を受けているのでしょうか? そういえばサラザールもヴァルザードも、でかい魚を育てたり高いところを好んだりしてましたね~。

 「新生の階梯」という場につきました。

 「もっと「ひたむきな心」アジールを育てるべきだった」というのがレオーネの真の後悔のようでした。

 「アシュレイのように「つながる心」で援軍を増やせばよかった」という後悔には「でも犠牲が増えただけ」と自分で反論をしており、「ガーニハンのように「くじけぬ心」で最後にアジールをかばえればよかった」という後悔には「そんな生やさしい最終決戦ではなかった」と自分で反論をしていました。

 ヴァルザードとの戦いでアジールが死んだことに怒ったゼドラの女王ゼーナピアが、レオーネがヴァルザード戦の直後にアジールを暗殺したのが真相であるとして死刑を執行する場面を、ここで見せられました。

 これはゼーナピアの個人的な逆恨みであると同時に、「後世の士気のためには、勇者は大魔王戦で死んではならない」というイデオロギーを守るためのものでもあったことでしょう。レオーネはこのイデオロギーに二度被害を受けたことになりま~す。一度目は勇者称号の剥奪、二度目は命の剥奪。

 この時代の「勇者と盟友に大きな年齢差があった」・「大魔王戦で勇者が死んだので女王は盟友を殺した」という設定は、心層の迷宮での賢者ワルスタットの悔恨の内容にそっくりなので*3、多分同一の話で~す。

 レオーネは死んだあとジア・クトに汚染された導きの天使によって導かれ、自分の石化がクラメとダフィアの陰謀であったと教え込まれたようでした。

 これで心域は終わりで、奥ではミトラーがレオーネの部下の巨大な両手と戦っていました。そしてその右手のほうがこちらのパーティの足止め役として襲ってきました。

 ボスが側近である両手のうち右手だけを派遣してくるというこの流れ、レオンが体験したヴェルデューゴ戦そっくりで~す。

 この「悪神の右手」も戦闘で勝つだけでなくレクタリスのトドメが必要な相手でしたが、ちょうどヘルヴェルが完成したレクタリスを持参して駆けつけたので倒せました。

 奥ではレオーネがアストルティアの楯を回収したところでした。

 レオーネは悲劇を生み続けてきた人による統治を終わらせるために、ジア・クトを招きたかったようでした。そのためにジア・クトのゆりかごの末裔の捜索に対するジャミングになっていたアストルティアの楯を破壊したいというのが、一連の事件の真相でした。

 このレオーネのプランって、「大小の部族の争いを乗り越える、巫女による支配」の拡大強化版で~す。かつての敵の手法から学んだのでしょうね~。

 レオーネが悪神の左手を自爆させ楯を破壊すると、その直後に想定通りジア・クトにアストルティアは発見され、ジア・クトの宇宙船が到来しました。

 そして中からジア・クト念晶体の一かけらである「ジア・ルミナ」が出てきて、こちらの敵意を察知して襲いかかってきました。

 「ルミナ」って語源はラテン語で「光」を意味する"lūmen"の複数の主格か対格か呼格である"lūmina"(ルーミナ)が語源だと思いま~す。「「闇」の根源の次は「光」が敵であり、かつそれは「一」であると同時に「多」でもあるような集合体」という印象を受けました。(のちにコメント欄の指摘で、「アルミナ」(Al2O3)の影響もあると気づけました)

 ジア・ルミナはHPを残り25%まで削ると本気を出してムービーに移行しましたが、その本気の出し方が悪神の「呪炎」と同じだったので、ユーライザはレクタリスが効くかもしれないと見抜きました。これは大正解で、傷を与えることができました。

 さらにヘルヴェルがレクタリスを使った特殊なメガンテのような行為を船の錨に仕掛けたところ、その犠牲によって船を撤退に追い込めました。

 ジア・ルミナとレオーネも撤退していきましたが、その直前にミトラーを墜落させ行方不明にするという戦果を挙げていきました。悔し~!

 以上を天使長代理のカンティスに報告すると6.2メインストーリーは終わり、「天星の空を翔ける者」の称号を得ました。

 ところでジア・ルミナのセリフや打倒後のまめちしきを総合的に勘案するに、ジア・クト念晶体たちは自己との同化を通じた侵略を目指しているようでした。

 こういうのに同化することについてレオーネの心理的抵抗が弱いのは、やはり長年の石化の成果なのでしょうか?

 そしてこの「宇宙船でやってきた無機的な集合体による、自己との同化を通じた侵略」という物語、週刊少年ジャンプ』1974年7月29日号に掲載された諸星大二郎作『生物都市』にそっくりで~す。運営はきっと強い影響を受けたのでしょう。

夕月夜「だから7月29日にこの記事を発表したんですね。趣深~い」

星月夜「他にもこのブログの記事の日付には深い意味が隠されていることが多いのよ~」