1.内容紹介
アスバルから、前王イーヴは生きている可能性もあるので、前王派の活動を探ってほしいといわれました。クエスト「亡き王国に捧げる詩」で~す。
前王派の中でもまずジェグロドに話しかけたのですが、もし前王派とアスバルが争うことになったらアスバルにつくと語られました。彼は前王派というよりむしろ「国王派」というほうが正確な立場ですね。
次に話しかけたナクリンは中立を宣言してきました。彼女も「王党派」ぐらいが正確で~す。
最後に首領のファウロンと話したところ、イーヴは300年前にエルガドーラと取引きをし、アスバルを返す代わりに自分は死んだことにしてもらい、今もアストルティアで生活をしているのだと判明したました。しかし最近になって連絡係が行方不明になり、連絡がつかないのだとか。そこで今の住所をつきとめるため、大魔王の権威を利用してイーヴからエルガドーラに宛てた手紙を入手するようたのまれました。
ファウロンはアスバルを退位させてイーヴを復位させたいようで~す。
しかしエルガドーラの部屋への扉は開きませんでした。アスバルによるとオジャロスが鍵を交換してしまったのだとか。
オジャロスの元警護役のツキードによると、オジャロスは釣り小屋には警護役すら連れなかったので、鍵が隠されている可能性が高いとのことでした。
見るからに怪しい板を発見したので調べたところ、「古びた木箱」が入手できました。しかし封印されていて開くことができないので、そのまま持ち帰りました。
アスバルによると、この封印は無理に解除すると呪いが降りかかるので、「魔幻園マデッサンスなどにいる メイデンドール」を倒すと入手できる魔眼のメガネで呪いを防止する必要があるのだとか。
メイデンドールは現在ではマデッサンスにしか生息していませんが、設定上は他にも生息地があるんですね~。
無事に呪いを解除して木箱を開くと、なんとカギだけでなくお目当ての手紙の束までこの木箱の中に入っていました。
「これは手間が省けた!」と思ったものの、手紙には今どこで暮らしているかなどの具体的な情報は書かれておらず、「約束の場所」で駆け落ちをすることを促す内容ばかりでした。そういうわけで結局は「約束の場所」の実態を調査するため、エルガドーラの部屋に入ることになりました。
中の暖炉ではまだ炎が燃え続けていました。地球の木ならとっくに燃え尽きているでしょうに、燃料の木まで新品同然でした。これは世界観の設定としてメモしておくべきですね。
部屋にあった日記を読むと、この夫婦は毎年銀翼竜を眺める約束をしていたらしく、そこが「約束の場所」である可能性が高そうでした。
そこまではロマンチックな話だったのですが、イーヴがエルガドーラと結婚をしたのはベラストル家のリズベルとの縁談を潰して大貴族たちに面当てをするためだったとか、そのせいでエルガドーラとオジャロスはもっと家柄の良い連中からの陰湿なイジメに苦しんだとか、かなり酷い話が書かれていました。
ベルヴァイン湖に向かうと、警備のガズヴィンが、毎年欠かさず銀翼竜の渡りの時期に湖に来る男が今年は渡りが終わった今になってやってきたという話をしてくれました。
この男がイーヴだとして、ここ数年銀翼竜の渡りの邪魔をしていた「湖の魔獣ボルゲルグ」*1をなぜ追い払おうとはしなかったんでしょうかね~。追い払えばエルガドーラとの駆け落ちが成功する確率が僅かなりとも向上すると思うのですが…。それとも実は毎年負けていたとか?
湖に行くと「ヴァラック」という男が立っていました。
「魔界でヴァラックという名のキャラクターが出てくる」というシチュエーションは、他のゲームならば「ゴエティアの悪魔の序列第62位の"Valac"(ウァラク)にちなんだのだな」という感想で終わりで~す。
しかしこの世界には同じくウァラクにちなんだ「バアラック」が先行して登場しているので、「こいつは絶対偽名だろう」という感想が自然に出てくる仕掛けとなっておりま~す。
しかもゼクレスでは「バアラックの色違いのおにこぞうが魔族のバルナバスに化けた」という内容のクエスト「ハングリーな魔物たち」*2があり、そのバルナバスの顔が、これまた色違いなんじゃないかというぐらいヴァラックに似ているので~す。
さらにヴァラックとバアラックの共通の元ネタがウァラクであり、ゼクレス王家の開祖であるワラキウスと発音が似ていま~す。ウァラクをアルファベットで表記すると"Valac"であり、ワラキウスの元ネタであるルーマニア語は"Valah"なのですから*3、発音のみならずスペルでもゼクレス王家との所縁が感じられま~す、
そういうわけで「ヴァラックとは、イーヴが化けた仮の姿なのだろう」と自然に思いつきやすい仕掛けが用意されているといえましょう。
星月夜と自称ヴァラックが会話をしていると、ファウロンも駆けつけましたが、ファウロンは「イーヴが死んだ」と聞かされ遺品を見せられると、そのまま信じて去っていきました。あとで町にいるファウロンに話しかけると、前王派を解散をすることに決めたようでした。
自称ヴァラックによると、イーヴがアスバルをさらってアストルティアに逃亡したのは、王政を廃止するためだったそうで~す。
「貴族連合に王家が負けた段階で王と太子だけが忽然と消えたところで、王家の血を引く傍流の大貴族の誰かが新たに王になるだけだろう」とも思いましたが、「その候補者が複数いた場合は、内戦になって共倒れを期待できるかもしれない」とも思いました。
自称ヴァラックはイーヴの遺品として「手向けの花」と「王のブローチ」を渡してきました。
これをアスバルに渡すと、いつか自称ヴァラックに会ってみたいという話や、手向けの花と同じものがエルガドーラの部屋に飾ってあったという話を聞かされました。
そしてクエストはクリアとなり、きんかい10個をもらえました。不明だった父親の手がかりを伝え、しかもアスバルの王位を揺るがしかねなかった前王派を解散に追い込んだのに、報酬が「オジャロスの部屋を掃除する」というクエスト「想いを針にこめて」のせいぜい2倍とは、随分しけてま~す。
暁月夜「あのクエストで公費1000万ゴールド浪費しただろ。それに目をつぶってもらっているんだから、報酬は実質1003万ゴールドだ」
警備のサッシェンドによると、エルガドーラの部屋に忍び込んでこの花を置いていった者は、恋の詩のようなものを詠んでいったそうで~す。ナクリンによると、その詩は5.2メインストーリーであのオジャロスのペットが詠っていた詩*4と同じらしく、忍び込んだのはイーヴ本人と推測していました。
イーヴはサラジャンにだけは直接会い、二度と魔界には戻らないと言い残していったそうで~す。
2.クエストの題名の問題
このクエストの題名がおかしいという意見を、ツイッターでよく目にしました。
そこで題名について考えてみました。
※文字どおり解釈した場合
「ゼクレス魔導国は亡んでなんかいないぞ」という批判が現にありますね。
ただし、イーヴとしては「自分が亡命した時点をもって正統ゼクレス魔導国は亡んだ」と考えているのかもしれませ~ん。
「イーヴはその亡国に対し、最後の国王夫妻が愛した詩を捧げた」という解釈をすることは、一応可能で~す。
※「亡き王 国に捧げる詩」と解釈した場合
「死んだ気になったイーヴが、祖国に詩を捧げて去っていった」という解釈になりま~す。
現在の国を代表しているのはアスバルであり、エルガドーラに詩を捧げても国に詩を捧げたことにはならないというのが、この説の弱点で~す。
※「亡き国王に捧げる詩」の書き間違いであると解釈した場合
「イーヴは死んだ。私はヴァラックだ」という気分の自称ヴァラックが、イーヴとしての自分に詩を捧げたということになりま~す。
しかしこれは、わざわざエルガドーラの部屋に忍び込まなくてもできる行為で~す。
※「亡き国王が捧げる詩」の書き間違いであると解釈した場合
意味は非常にとおりますが、原型からかなり遠のいてしまいました。
※「亡き王太后に捧げる詩」の書き間違いであると解釈した場合
意味は一番とおりますが、普通こんな書き間違いはしませんよね。