ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

悪人のおかしな言動を安易に「頭の病気」扱いして終わらせるのは、よろしくないで~す。【理論編】

0.はじめに

 本稿は過去記事「中川翔子さんを応援する記事。ストーカーの問題について」の続編的な性格のある記事で~す。でも内容はドラゴンクエストとはほぼ無関係なところまで来てしまいました。その件を先におことわりしておきま~す。

 ただし前回と同様、単なる義侠心の発露の記事では終わらせず、読者の皆様の護身のための即戦力になる話も書こうと思っておりま~す。

 さて、ストーカー等の悪人の動機の面について「脳の病気の可能性もある」という理解が進み、それに則した防犯・再発防止プログラムが考案され続けていることは、まことに喜ばしいことで~す。

 しかしこの「ストーカーは病気」という標語が独り歩きした結果、犯罪の手段として用いられたおかしな言動まで、動機面と同じような「病気」と決め込んで理解したつもりになる風潮も、まま見られま~す。そしてその風潮が悪人たちを利しているという側面も見られま~す。

 本日はその風潮について思っていたことを語っていこうと思いま~す。

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1.麻原彰晃と某画家へのねじれた評価

 麻原彰晃が死刑囚として生存していたころ、彼の精神疾患の可能性を推定させる言動について、インターネットでは「死刑を免れるための詐病に違いない!」と決めつける人をよく見かけました。もちろんその中にはそれなりの論拠を用意してから決めつける人も多々いましたが、浅薄に死刑執行を煽るためだけにそう決めつけている人も含まれていました。

 その麻原の死刑からしばらくして、ある画家の長年の剽窃が問題になりました。そしてその画家が絵画だけでなく自分の宣伝にもならなさそうな日常系のツイートまで剽窃していたと判明したとき、今度は麻原のときとは逆に「これはもう病気だ」の大合唱が起きました。

 星月夜は、「日常系ツイートの剽窃って、いざ芸術作品の剽窃がばれたときに病気扱いしてもらうための周到な布石だった可能性もあるじゃん」と思いましたが、賛同者はほぼいませんでした。

 インターネットで安易に「診断」している人の中には、有名人が病気なのか詐病なのかの判断を「対象をより馬鹿にできそう」という基準で騒いでいる人が相当数いるようだと、この二件の比較から気づかされました。

 今までそういう人に扇動されてきた人たちには、「今後は病気と詐病の両方の可能性を念頭に置いた上で、自分がそれまで得た情報からどちらの可能性が高いのかを冷静に検討し、情報が足りなすぎるときは五分五分で保留しましょう」と呼びかけたいで~す。

 さらには歪んだ正義感から扇動をしてきた人にも、「病気だと決めつけると、その人への道徳的批判が弱まりますよ」と呼びかけたいで~す。

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2.「自分は某芸能人の配偶者だ!」は病気のせい?

 ストーカーたちの言動には、本当に認知症を患っているかたがたと表面上似た言動もありま~す。これと「ストーカーって病気です」のスローガンと前章の「これはもう病気だ」合唱の相乗効果で、「彼らの中ではそれが真実なのだろう」と決め込む態度を採る人が、被害者の中にすらいま~す。

 でも星月夜は、ストーカーの動機面はともかくとして、手段として行われる奇矯な言動には、以下の二つの理由から実質的な詐病のケースが多いと考えておりま~す。

 第一に、本当に現実とまったく異なることを信じ切るような人が、この現代の車社会の屋外で無傷で生き延びられる可能性は低いということで~す。

 認知症の患者の方々については、ちょっと目を離した隙にふらふらと出かけ交通事故に遭うという痛ましい事件をよく耳にしま~す。それで遺族が鉄道会社から高額の賠償金を請求されてしまったという事件もありました。

 一方でストーカーについては、その種の事故は聞きませ~ん。「自分は某芸能人の配偶者だ!」と本気で思い込むような人ならば、「走るトラックは異世界転生用の器具だ!」などの思い込みもジャンジャンしてしまい、結果的に次々と死にそうなもので~す。もしくはその種の死を心配した周囲の人たちから、施設に運ばれていきそうなもので~す。

 これについては、「「自分は某芸能人の配偶者だ」と思い込むという一点においてのみ頭がおかしくなるということもありうるだろう」という反論もあるでしょうし、星月夜もその可能性は否定しませ~ん。そこで以下、第二の理由で~す。

 もし自分の配偶者が誰なのかだけを間違える以外は頭脳が明晰な人がいたら、本人は戸籍や記念写真などの記録を使い、自分こそが正しいと本気で証明しようとするはずで~す。

 だからそういう地道な証明の作業をせず、待ち伏せ先の店の従業員にだけ口頭で「自分は某芸能人の配偶者だ!」と言い張るような輩は、99%以上の確率で意図的に嘘を吐いているとみなすべきで~す。


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3.練習問題としての令和納豆

 かつて存在した令和納豆という店で、「水戸以外から訪れたお客の一人が、店員から別のツイッターユーザーとみなされてしまい、警察に通報され名誉と時間を大いに傷つけられた」という事件がおきました*1

 それまで令和納豆に関心がなかった人ならば、「別人と誤認された被害者さんは可哀想。しかし加害者も、能力はともかくとして、悪気はなかったのだろう」ぐらいの感想で終わらせてしまうかもしれませ~ん。

 しかしここで、以下の三つの情報を追加してから総合的に事件を考えてみましょう。すると別の背景事情があった可能性も見えてくるかもしれませ~ん。

 第一に、「誤認」先のツイッターユーザーも令和納豆の起こした諸事件を観察しているだけのかたであり、犯罪者というわけではありませんでした。

 第二に、この事件より前にも令和納豆は、自分たちが発行した無料パスポートの権利を一方的に失効にして裁判で認諾に追い込まれたり*2、無料パスポートの使用者たちに嫌がらせを続けその一部が撮影され動画として公開されたり*3仕入れた納豆を仕入れ先に無断で転売してしかも賞味期限のラベルを貼りかえたり*4、通信販売で薬機法に触れかねない誇大広告をしたり*5といった問題を起こしていました。

 第三に、この事件のしばらくのちに、令和納豆の社長は従業員が記憶喪失になったとマスコミに公言していました。

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4.この観点は日常でも即戦力

 ここまで長々と語ってきた事例がどれも大事件であったため、自分とは直接関係のない遠い世界のことだと思われたかたもいらっしゃるかもしれませ~ん。しかし星月夜は、以上の話は日常でも即戦力になると考えておりま~す。

 たとえば、「小学校でも中学校でも国語の成績が致命的に悪かったというわけではないのに、他人の発言や文章を誤読し(て or たという設定で)、トンチンカンな解釈を元にした人格攻撃をおこなってくる知人」を考えてみましょう。こういう連中は、画壇・芸能界・悪徳企業に足を踏み入れなくても、日常的に出会う可能性のあるタイプで~す。

 こういう(設定の)人に対して、いきなり「何とかこの程度の知能の人にも誤解を解いてもらえるよう、私の側で努力してあげよう」とか思ってしまっていませんか?

 その相手の読解能力が、「中学校卒業後に頭を強くぶつけた」などの理由で本当に低下したのであれば、そのように対応することにも一理あるかもしれませ~ん。

 しかしそうでないのであれば、何かしら卑劣な目的を持って話が通じない人を演じている可能性が高いといえま~す。

 その場合、やはり時間と労力をより効率的に使用できるような、別の対応を考えるべきで~す。

 他に今や誰しもが被害に遭いかねないのが、インターネット上でわざと知性や道徳性が低いふりをしている連中で~す。連中の真の目的はレスバトル自体や炎上による広告収入の焼け太りであって、自分の思想を広めることではないので~す。

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5.そんな自分も、実例編では反面教師

 前章までは偉そうに「悪人どものおかしな言動の真の理由を諸々の証拠を元に冷静に推測し、適切な対応を選ぼう」という理論を語った星月夜ですが、いざ半年前に自分が被害者になったときには冷静な対応を採るまでかなりの時間がかかりました。相当マヌケな反面教師でした。

 「理論編」とでもいうべき本稿の対として「実例編」を発表することも考えておりまして、そこではお人好しすぎて被害を自分の周囲にまで拡大させてしまったこの自分の無能ぶりを赤裸々に語ろうと思っておりま~す。

 ただ以下に語る問題のせいで、実例編は最終的には発表に至れないかもしれませ~ん。あるいは「事実を元にしたフィクション」程度の内容になってしまうかもしれませ~ん。

 この実例編は、自分が謎の急死をした場合に親戚から警察に見せてもらうための資料としてその事件の経過をまとめたものが元となっておりま~す。この資料は「たしかに犯人はただの通り魔の可能性もあるけど、被害者の星月夜さんはある人からこういう異常なメッセージを送られたこともあり、その件でX警察署に相談もしていた。その相談記録はおそらく今でもX警察署に存在しているはず」と死後に捜査関係者に伝えるための、一種のダイイングメッセージでした。

 その資料の読者は捜査関係者のみの予定だったので、他人のプライバシーに配慮する必要はありませんでした。

 でも公開のブログで事件を語る場合には、自分以外の登場人物のプライバシーに最大限の配慮しなければなりませ~ん。加害者や他の被害者だけでなく、親身に相談に乗ってくれたスマフォ会社の従業員や警察官にも、決して迷惑をかけるわけにはいきませ~ん。

 このプライバシー配慮のための書き替え作業のせいで、たとえば地元警察が「X道府県警または警視庁」という冗長すぎる呼称になってしまいました。全体的にも省略しすぎて流れが不自然にしまった部分が多々ありま~す。

 そういうわけで未発表に終わるかもしれない実例編の教訓を一言で先にまとめました。「理論でわかっていても、自分が急に被害者になると中々冷静になれない場合もある」と。

(10月23日追記)

 実例編を発表しました。