ほしづくよのドラゴンクエストX日記

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ネルゲルとの戦いには『魔法戦隊マジレンジャー』の影響が感じられま~す。

0.はじめに

 東映スーパー戦隊シリーズは、『ドラゴンクエストX』の「ザ・ボーンズ」・「エレメンツ」・「バトエンジャー」などに影響を与えてきました。

 そして1.0メインストーリーから10周年記念クエストまでの冥王ネルゲルとの戦いには、スーパー戦隊の中でもとりわけ2005年から2006年にかけて放映された『魔法戦隊マジレンジャー』の影響が強くみてとれま~す。

 本日は星月夜が発見した類似点を列挙していきま~す。

1.『魔法戦隊マジレンジャー』あらすじ

 スーパー戦隊シリーズの原則通り五色の魔法使いが初期の主人公であり、各人が五つのエレメントに対応していま~す。

 のちに第六の主人公が追加されるのも伝統通りで~す。この第六の主人公「ヒカル」は金髪の若者に見えますが実は500歳。予言や規則を尊重しすぎる頭の固さが長所にも欠点にもなるタイプ。彼は魔法特急トラベリオンエクスプレスを所有しており、これがシリーズ恒例の巨大ロボとして活躍しま~す。

 第1話の時点では、敵のボスである冥獣帝ン・マは15年前の戦いで弱体化しており、地底冥府インフェルシアの奥深くに引き籠もり、戦いは西洋の妖怪をモチーフとした幹部たちに任せていました。

 最初の大幹部ブランケンは地上世界に行くための門の鍵を得ることに固執したキャラで、第18話で死亡。

 次の大幹部メーミィはン・マの復活を目指すも、主人公側の追加キャラに敗北して第34話で死亡。

 この第34話では敵の中堅幹部だったウルザードが五人の主人公の父親だったと判明し、ン・マをより強烈に封印してくれました。

 第35話からは十柱の冥府神が、ン・マの「絶対神」という形での復活を目指します。この計画は第46話で成功し、ティターンという冥府神を依代にしてその死を代償にして絶対神ン・マが復活しま~す。

 絶対神となったン・マは余興として時間を食らうことも可能であり、主人公たちを荒廃した未来の地球へと連れていきま~す。

 しかし最終回で主人公側に寝返った中堅幹部が有力な死者を次々と復活させたこともあって、主人公側が逆転して勝ちま~す。

2.ネルゲル側への影響

2-1.冥獣帝と冥獣王

 ネルゲルは「冥府が本籍地の冥王」であり、そういう設定のキャラクターは過去のフィクションで数えきれないほど登場してきました。

 そういう中で星月夜があえて『魔法戦隊マジレンジャー』にだけ着目したのは、「獣」の字のせいでした。「冥獣王」の元ネタというにふさわしい称号は実に珍しく、これと二文字が共通する三文字の称号の持主としては他にはせいぜい「冥竜王ヴェルザー」ぐらいしか星月夜は思いつきませ~ん。

 そしてこれを切っ掛けにして作品を調べれば調べるほど、以下のように『ドラゴンクエストX』の特に対ネルゲル戦への影響と思われる設定がどんどん出てきたので~す。

2-2.弱体化した状態で登場し、死に、最強となって復活する。

 『ドラゴンクエストX』のオンラインモードが始まった時点では、冥王ネルゲルはマデサゴーラとの盟約を履行した疲労により、かつての戦いより弱体化した状態でした。

 それが徐々に回復してやっと活動再開となったときに主人公に敗れ、死にました。

 その後は10周年記念クエストで闇のキーエンブレムの力で復活し、予言を信じる限りでは今度こそ世界を完全に滅ぼせる能力*1で復活しました。

 この一連の流れはン・マの能力の変遷にほぼ対応していま~す。

2-3.復活のさいには大幹部の命が犠牲となる。

 クエスト「遥かなる復活へ」*2では、ネルゲルの大幹部でその復活のために努力してきたラズバーンが粛清され、それと同時にその命を代償としてネルゲルが復活しました。

 これはティターンの死によるン・マの復活の影響が非常に強いで~す。

2-4.復活後は時間にまで影響を与える。

 復活後のネルゲルは単に世界の脅威であるどころか、放置しておくと500年前の世界まで遡って滅ぼしてしまうことが、クエスト「天駆ける冒険者たち」*3で明らかになりました。

 この設定も絶対神ン・マの時間を食べる能力の影響である可能性がありま~す。

3.ネルゲルに挑む側への影響

3-1.目覚めし五つの種族

 1stディスクの副題は「目覚めし五つの種族」であり、かつ1.0時代は各種族は強烈な属性耐性を持っていました。

 まさに五つのエレメントが冥府に挑むという内容でした。

3-2.列車でやってきた金髪で500歳の予言重視の魔法使いが追加主人公

 10周年クエストのエルジュは、大地の箱舟で現代にやってきました。金髪であり、予言を強く信じ、生まれたのは約500年前であり、戦闘中に表示される職業は魔法使いで~す。

 ヒカルとはパクリかと思うほど設定が似ていますね。

3-3.鉄道が切り札

 1.0メインストーリーでも10周年記念クエストでも、大地の箱舟が戦いで重要な役割を果たしました。

 これも魔法特急トラベリオンエクスプレスの影響が感じられま~す。

 魔法と鉄道とが深く関わるフィクションとしては、もっと遡ると1997年から刊行が始まった『ハリー・ポッター』シリーズがありま~す。かつては近代文明の極致と感じられた鉄道が、今の若者には中世的な魔法の世界に片足を突っ込んでいるようなレトロ臭あふれるツールとなったのが、魔法を主題とするフィクションで鉄道が活躍し始めた原因なのでしょう。

3-4.死者のチカラで大逆転

 1.0の対ネルゲル戦では、生者には決して解けない冥府の縛鎖を使われて本来なら「詰み」の状態になりましたが、自分の肉体の元の持ち主である死者が干渉してくれたので助かりました。

 「天駆ける冒険者たち」でラズバーンが使った冥府の縛鎖をネルゲルが解除したのも、この死者のせいで「どうせ効かないから」という諦念があったことも原因の一つだと思いま~す。

 この敗色濃厚の状態から死者の助力で大逆転という流れは、『魔法戦隊マジレンジャー』の最終回そっくりで~す。

4.ネルゲル戦以外への影響かもしれないもの

4-1.開門に苦労する敵

 マデサゴーラは奈落の門さえ開ければ勝ったも同然という態度で努力していました。

 ピュージュも地の底から大軍を招くためにガミルゴの盾島の門を開けようと活動していました。

 これは大幹部ブランケンに似ていなくもないで~す。

 「門を開くために苦心する敵」という設定がありがちなものであるので、単なる偶然の可能性も高いで~す。

4-2.実は父祖だった元敵幹部の助力

 キュロノスの部下だった黒衣の剣士は、実は主人公の父のパドレであり、最後は共闘してくれました。

 ジャゴヌバの部下だったヴァルザードは、実はユシュカの先祖であり、彼が用意していた海魔獣ブルラトスがジャゴヌバ撃滅の切り札となりました。

 彼らは「実は父だったウルザード」の影響が感じられなくもないで~す。

 しかしこれも『スターウォーズ』の初期三部作以降は陳腐化した設定であるので、『マジレンジャー』からの影響である可能性は低そうで~す。

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