1.6.2で二方面から語られた魔瘴と赤い霧の類似性
紫の霧である魔瘴の元締めであるジャゴヌバは赤い霧の元締めであるジア・クトと元来は同じ一族だったということが、6.2メインストーリーで確定しました*1。それ以前からも5.5後期の魔祖メゼのセリフ*2や、6.0で赤い霧だらけの神代の遺構で魔瘴由来の地上のモンスターの同類が登場したこと*3などを総合すればある程度は予測がついていたことでしたが、確定は6.2メインストーリーで~す。
そして魔瘴と赤い霧は人格変化のシステムも似ているということが、6.2の配信のあるクエストでかなり明瞭に示唆されていました。
このクエストでは、グロリスの木に肉体と魂とを分離する機能があることが強調されていました。
過去に配信された「立ちはだかる守護者」でも、かつてパリンの魂が水竜ギルギッシュに結びついたのが「おそらく」「グロリスのしずくの効果」だとエイドスが語っていました。でもこれは1.0メインストーリーでバグド王から魔瘴を抜いたというグロリスのしずくの効果と一見するとあまりにもかけ離れていたので、当時は多くの冒険者が一仮説として軽視してしまったと思いま~す。
このエイドスの仮説を冒険者に再び想起させ、かつその内容がほぼ正しいとお墨付きを与えたのが、クエスト「伍の五声は呻の声」だったというわけで~す。
グロリスのしずくが「肉体から魂をしばらく分離する効能」と「魔瘴による人格変化を治療する効能」とを併せ持つということは、おそらく魂に付着していた魔瘴を魂から「分離」するという手段で人格変化を治すのでしょう。そしてここから、「魂に付着できなかった魔瘴は、人体からすぐに抜け出てしまう」という設定も容易に想像がつきま~す。
プクリポのメインストーリー1.0で明かされた、「生き返しを受けた者は魔瘴耐性が高い」設定も、おそらくは「肉体と魂との経路が後天的であって弱いからこそ、肉体経由での魔瘴の魂への汚染も弱い」のが原因だと思いま~す。
このグロリスによる魔瘴と魂との分離を通じた人格変化の治療って、6.1~6.2メインストーリー中盤にかけて類似の作業を何度もやらされましたよね。レクタリスによる赤い霧と魂との分離を通じた人格変化の治療で~す。
つまり「魔瘴は七賢者によって変質させられる前は赤い霧だった。今でもそれらによる人格変化の過程や治療法は似たようなものであり、労魔デスワークのマインドセラピーなどとは別系統」と、メインストーリーのみならずレベル上限解放クエストでもわざわざ教えてくれたのが6.2だったというわけで~す。
2.グロリスのしずくとレクタリスには類似品がもう一点
2-0.総論
前章では魔瘴と赤い霧とが似ているのみならずその治療法まで似ているとして、治療に使うグロリスのしずくとレクタリスとを紹介しました。
ここでもう一点、グロリスのしずくともレクタリスとも少しずつ似ているような物品を紹介しま~す。そういうものがあってこそ、二品が本来同一のグループに属するものだという星月夜の主張の説得力が増すことでしょう。
その品とは暗鉄鉱ネクロダイトで~す。
2-1.両者との類似性「人格変化の治療にも使う」
5.5後期のメインストーリーで、ユシュカはジャゴヌバの手にがっしりと掴まれて人格を変えられ「大魔王ユシュカ」となりました。
しかしネクロダイトから作った魔剣アストロンによって肉体の動きが停止させられると、中で魂だけが自在にナジーンの魂と対話して、人格が元通りになりました*5。
この治療法もまた肉体と魂の結合の一種の切断であり、前章で見た「グロリス」・「レクタリス」・「生き返しの術」と大きく構造が似ていま~す。
2-2.レクタリスとの類似性「鉱石から剣への加工」
レクタ鉱石からの加工で神剣レクタリスが生まれました*6。鉱物系のジア・クト念晶体にまるで生命のような傷をつけられる剣で~す。
同様に暗鉄鉱ネクロダイトからの加工で魔剣アストロンが生まれました*7。生命をまるで鉱物のように変えられる剣で~す。
これだけでもいかにも「対」という印象がありますが、それに加えてどちらも大仰な加工装置が登場していました。
2-3.グロリスのしずくとの類似性「魂の自動的な移植」
ホルタ神父の魂は現在では賢者ブロッゲンの杖に移植されていますが、これはクエスト「父と子」によれば死ぬ前の本人がブロッゲンに頼んで人為的・意識的に移植してもらったもののようで~す。
一方でナジーンの魂がアストロンに移植されたのは自動的なものであり、持主であるユシュカがそれに気づいたのは5.5後期になってからやっとのことでした。
死人の魂を自動的に移植するという作用は、前述のとおりクエスト「立ちはだかる守護者」でグロリスのしずくにもおそらくあるとエイドスに推定された機能で~す。
またネクロデアの住民で死後地縛霊になった者が非常に多いのも、ネクロダイトを地面が豊富に含んでいたせいで地縛されやすかったのが理由だと思いま~す。「住民がほぼ絶滅した」というだけならばヤイルの故郷やジャムール王国も同じですから、この設定が加わってこそネクロデア跡地だけが特に地縛霊が多い理由を説明できると思うので~す。
「ネクロダイト」や「ネクロジーム」の接頭語である"necro-"とは英語で「死」を意味しま~す。これは死者の魂への作用のせいでついた名称と考えれば、非常に辻褄があいま~す。
3.グロリスとレクタリスの互換性は?
以上を踏まえて最後に考えたのは、「ではレクタリスは魔瘴にどの程度効くのか、グロリスは赤い霧にどの程度効くのか?」で~す。
もしも七賢者による赤い霧の魔瘴化が単なる弱体化であったのならば、レクタリスは確実に魔瘴にも効くことでしょう。そしてその効き目は必ず対赤い霧時の1.0倍以上ということになりま~す。
しかし赤い霧の魔瘴化がそこまで単純な弱体化であったならば、生前のルティアナは七賢者の業績を天使たちに伝えて神代の遺構を「赤い霧が減った代わりに魔瘴が増えた」という少しだけましな環境にする工夫をさせた可能性が高いで~す。
さらにナドラガンドを封印した神々が、ナドラガンドのレクタ鉱床近辺の土地を全部、赤い霧に苦しむ天使にだけ与えて紫の霧に苦しむ自分の子孫らに与えなかったことも明かされました*8。
以上を勘案するに、紫の霧がおおむね赤い霧より弱いからといって、レクタリスへの耐性も含めてすべてにおいて劣っていると決めつけるのは早計で~す。「レクタリスは魔瘴には(あまり)効かない可能性のほうが高いのではないか」と現時点では考えておりま~す。
そのように質が異なるならば単純に量で圧倒することも難事でしょうから、「魔瘴より強大かつ魔瘴とは若干異質な要素もある赤い霧には、グロリスは(ほぼ)効かない可能性のほうが高いのではないか」とも考えておりま~す。
*1:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2022/07/29/162000
*2:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2021/07/12/170000
*3:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2021/12/14/170000
*4:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2022/07/09/190000
*5:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2021/07/13/181000
*6:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2022/07/29/162000
*7:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2020/02/17/200000
*8:https://hoshizukuyo.hatenablog.com/entry/2022/08/07/190000