ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

すごろく講座を開催しました。

 普段のすごろくで解説をしまくると、自分も面倒ですし他人からもよく思われませ~ん。

 しかし誰かが実戦を例に解説をしないと初心者は中々上達できないもので~す。上級者ですらよくないクセの一つや二つ持っていたりしますが、それは誰かに指摘されなければ中々是正できませ~ん。

 そこで誰もが自由に行動して他人のミスをスルーする普段のすごろくと、解説をしまくる「すごろく講座」という形式の、二本柱体制を採用することにしました。

 そしてこのすごろく講座の初回を昨夜開催し、最近すごろくを開始した新規プレイヤーさんに受講者になってもらいました。

 「すごろく講座 入門編」と伝えた上で援軍二名を呼び、のんびりとコメントを加えながら二周しました。

 今回はコイン目当ての「閉ざされし白銀の森」左コースでした。やはり入門時は、コインか初期ボス討伐のどちらかに目的を特化し、それに基づいた単純な功利計算をすることで、基礎学力を身につけるといいですね~。

 当初はこれからすごろくを始めるプレイヤーさんのために、伝授した知識の一部をここでも公開しようかと思いました。

 でも入門編ですら内容があまりに多岐にわたったのと、一部に中級編的な内容も混入したので、いつかすごろくのノウハウに特化した記事を体系的にゆっくり書き上げようという方針に変えました~。

 ご期待下さ~い。

 あと、星月夜のすごろく講座を直接受けて腕を磨きたいフレンドさんは、いつでもご連絡下さ~い。初心者向けから上級者向けまで、完全に対応しておりま~す。

(2020年8月1日追記)

 実施版のすごろく講座は今後も続けますが、記事版のすごろく講座の計画は中止としました。詳細は本日の記事にて。

(2021年2月27日追記)

 不愉快なことがあったので、写真差し替えました。

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疑惑の人、FC版ポカパマズさん

1.FC版ポカパマズさんの公式情報の復習

 本稿のテーマは、FC版の『ドラゴンクエストIII』のポカパマズさんに関する疑惑を紹介し、その背景事情を探るというもので~す。

 FC版はリメイク版と異なる点もあるので、ここで復習をしておきま~す。

 ムオルの村に行くと、主人公は多くの住民から「ポカパマズ」さんと誤認されます。

 普通は初対面の相手を別人と誤認したなら謝るはずですし、SFC版では「主人公はポカパマズの子だ」という新情報に納得してくれる住民もいます。

 でもFC版では、住民たち全員が「でも似ている」などと言い続けるのですから、よっぽど似ていたのでしょう。彼らは発言の後半部分でも、「ポカパマズさんは記憶喪失にでもなったのかもしれない」とかまだ思っているのでしょうね~。

 市場の二階にいる詩人は、ポカパマズさんについて「たしか アリアハンでのなまえは オルテガ……。 まだ あかんぼうの むすこ(むすめ)を のこしてきたのが こころのこりだ と そうもうしており」と語ってくれま~す。

 ここで多くのプレイヤーは「ポカパマズさんの正体は主人公の父オルテガであり、親子だから似ていて当然だったのだ」と納得しました。この「納得」は、星月夜に言わせれば「思考停止」で~す。

2.ポカパマズさんへの疑惑

 「FC版ポカパマズさん = オルテガ」説には、二つの点から疑惑がありま~す。

 第一は、オルテガと主人公の年齢および性別の差異で~す。

 親子ですから一世代違っており、しかも主人公を女性に設定した場合は性別まで違いま~す。

 これだけ設定が異なる二者を見間違えるだけでも珍しいのに、こちらが別人だと何度主張しても延々と村中みんなで「でも似ている」と頑なな態度を維持するというのは、常識では考えられませんね~。

 第二は、みずでっぽうをくれるポポタの年齢で~す。

 ドット絵を見るかぎりはまだ子供ですし、喋りかたから推定される精神年齢もかなり幼いで~す。

 こんな幼い子が、あの火山に落下する前のオルテガと交流し、その顔をまだ鮮明に覚えていたりするでしょうか?

 かりにそうであるならオルテガの上の世界での旅というのは十年がかりののんびりした修行であったことになり、アリアハンに時々帰ってくる余裕もありそうなもので~す。

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3.解決策

 以上の疑惑を解決する、星月夜の新説は以下のとおりで~す。

 オルテガが下の世界に行った後、主人公がムオルに着くほんの数ヶ月~数年前までムオルの村にいた、主人公のそっくりさんとは、主人公の兄か姉である」

 これなら、年齢や性別が主人公とほぼ一致していたのも納得がいきま~す。

 主人公は16歳で旅立ったので、その数年前にやはり同じ年齢で元服し旅立った兄か姉がいれば、ほんの数年先んじてムオルの村に到着するということは十分にあり得るでしょう。

 また当時はまだ船がアリアハンにもあったとすれば、いざないの洞窟の壁を破壊したりして遠回りをしなければならなかった主人公との差は一層拡がりま~す。

 そういう年齢ならば、アリアハンに主人公にとっては甥か姪に当たる赤ん坊を残したまま旅立つこともあり得るでしょう。

 「アリアハンでのなまえは オルテガ……」の部分が少し問題ですが、「……」の部分は名前の続きで住民がそれを思い出せなかったのだと解釈をすれば、不都合はありませ~ん。長男または長女が「オルテガ二世」とか「オルテガの子、某」というように父の名前を何らかの形で受け継ぎ、本来は後継者でなかった次男または次女が父とまったく別の名前を与えられるということは、十分にあり得るからで~す。

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4.主人公の母の態度から考えるポカパマズさん

 この兄か姉であるポカパマズさんについて、主人公の母は語ったことがありませ~ん。

 この母の態度は、上述の星月夜の説への批判のために使える証拠のようにも思えてしまいますね。

 しかし星月夜にいわせれば、これもまた自説の証拠の一つで~す。

 ポカパマズさんはアリアハンにいたときと異なる名前を名乗らざるを得ず、かつ、かつての正式名称は別に秘匿しなくてもよい立場だったので~す。

 この二つの設定を両立させる筋書きは限られてきま~す。まともなものとしては、「正当な法的手段でオルテガの後継者としての名前を改めるよう迫られた」ぐらいではないでしょうか?

 たとえば現代ジパング民法816条では、養子が縁組から7年以内に養親と離縁した場合には、本人がどれだけ新しい氏のほうを気に入っていたとしても、古い氏に強制的に戻されてしまいま~す。ただし「現在の正式な姓は「岡浜津」ですが、有明浜にいたころの旧姓は「折手賀」でした」と人に教えることは自由で~す。

 これと同じように、「「オルテガ二世」もまた旅立ちとほぼ同時期に母と大喧嘩をして「勘当」や「廃嫡」をされ、アリアハン民法に基づき正式名称をポカパマズに改めざるを得なくなった」と考えればいいので~す。

 これで「FC版のポカパマズさんは主人公の父ではなく兄か姉の可能性が高い」・「それなのに母は主人公の兄か姉なんて最初からいなかったかのような態度である」・「ポカパマズさんはアリアハンにいたときと異なる名前を名乗らざるを得なかった」・「しかし旧名を他人に教えることはできた」という四つの命題が、矛盾なく説明できますね~。

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5.SFC版などのポカパマズさんについて

 前述のとおり、SFC版では人違いを反省する住民も登場し、またオルテガがムオルまで行ったムービーも作られ、「オルテガのかぶと」も登場したので、「ポカパマズさん = オルテガ」説が正解である可能性は大いに向上したといえま~す。

 なので星月夜も、本稿の説をSFC版に対してもゴリ押ししようとは思いませ~ん。

道具鍛冶職人で作れるものを全部作ってみました。

 ヘパイトスの炎を覚えた*1のを記念して、道具鍛冶職人で作れるものを全部一度は作ってみました。

 「全部」とはもちろん、素材に「晴れ呼びの笹」や「星々のナミダ」が必要な七夕イベント関連の製品も含めての「全部」で~す。

 星月夜はこんなこともあろうかと、過去の七夕イベントのときに関連職人レシピを全部買って覚えておいたので~す。ふふふふふ~。

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 とりあえず道具鍛冶職人の全レシピにマークをつけることができました。

 実はこのコンプリートは、本業の防具鍛冶職人でもまだ達成してないんですよ~。防具鍛冶はコンプリートしかけたと思ったらすぐに次の新製品が発表されますからね~。

 その点、道具鍛冶は製品のバリエーションが少なくて楽でした~。

 次は「レ」マークを全部「☆」マークに変えるという真正コンプリートが目標ということになりそうですが、現在バザーには売れ残り商品が山積みの状態なので、当面は延期したいと思っていま~す。

 ちなみに別キャラの木工職人では、この真正コンプリートを達成ずみで~す。木工は正解値が固定の上、温度を気にしなくていいという、鍛冶職人から見たら天国みたいな世界ですからね~。

『ダイの大冒険』で、後にバランに負ける程度のヴェルザーが、一度は老バーンと魔界の覇権を争えた理由について。

0.問題提起

 『ダイの大冒険』の登場人物の強さを議論すると、老人態バーン(以下、「老バーン」)とヴェルザーの覇権抗争が引き分けと和平に終わったことをもって「老バーン ≒ ヴェルザー」とし、老バーンの発言や彼とダイとの戦いの過程などから「老バーン > バラン」とし、バランがヴェルザーを封印したことから「バラン > ヴェルザー」とし、この三つの式を矛盾だとする説がしばしば語られま~す。

 本日はこの問題について、『ドラゴンクエストX』(以下、『X』)を参考にしながら考えてみました。

1.総論

 この「矛盾」が生じた理由について、「単なる設定ミス」と考える説もありま~す。

 しかし星月夜は、そもそも設定に矛盾なんかないと考えています。上述の方程式を連立させることは、個体の戦闘能力と勢力の戦闘能力とを混同した行為であり、そこに混乱の原因があると考えていま~す。

 バーンとヴェルザーの覇権抗争は、一対一のものではなく、それぞれを頭目とする二大勢力の争いでした。

 またバランとヴェルザーの戦いも、バランは竜騎衆を当時から率いていたでしょうから、やはり勢力対勢力の争いということになりま~す。

 そして「老バーン > バラン」は、ダイの戦いの歴史などから合理的に推測された一対一の戦いの評価で~す。

 ならば勢力としての序列は素直に「バラン勢力 > ヴェルザー勢力 ≒ ヴェルザー勢力健在時代のバーン勢力」とし、個体としての実力の序列は「老バーン > バラン」のみ判明していてヴェルザーについては不明とするのが正しいでしょう。

 ある意味ではこの問題はもうこれで解決で~す。

 しかしもっと補強証拠が欲しいという人も多いでしょう。またこの説に従えば解決できる他の謎もありました。

 なので以下の章でこの問題をもう少し深く掘り下げ、多角的に考察してみま~す。

2.鬼岩城を起点に考える、組織化された軍隊の強さ

 『ダイの大冒険』の話題で「鬼岩城」と書くと、ミストバーンが動かしていた二足歩行の巨大兵器を思い浮かべてしまうかもしれませんが、ここでは『X』の4.2メインストーリーに登場した鬼人国の本拠地について語りま~す。

 過去の記事でも指摘しましたが、この城は旧ドランド王国の王城だったころには老練なオルセコ王のゾルトグリンですら落とせない鉄壁の城でした。しかし住民全員が個体としてはオーガよりはるかに危険な鬼人となると、彼らは組織的な行動ができなくなり、城としてはかえって弱くなりました。そして経験の浅いギルガラン王子でも総大将狂鬼ドランド公の眼前に難なく迫ることができるようになり、王子はわずが四人の援軍とともにドランド公を討ち取ってしまいました。

 個体が組織化されるといかに強いか、そしてその組織化というものが知能の低い者も多いモンスター業界ではいかに困難かが、この一件からわかりま~す。

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3.数千年間のバーンの事情

 バーンはわずか十数年前までの数千年間もの間、軍隊らしきものを所持してきませんでした。

 これについては、ミストバーンがセリフで説明してくれま~す。「なぜなら 魔王軍など しょせんは このわずが十数年の うたかたの夢…!! ……… 私は… 幾千年も前から もともと 一人だった! 一人で バーン様を 守り抜いて きたのだ!!!」と。

 マキシマムは過去にバーンパレスの防衛に複数回出動した形跡があるので、その程度の部下はいた(時期もあった)のでしょうが、概ねミストバーンがほぼ一人で数千年間バーンを守ってきたようで~す。

 他に部下がほとんどいないので、長めに見積もっても345年間であるマキシマムのいた時期に、バーンパレスは何度も敵の侵入を許したというわけで~す。これはまさに、『X』の鬼人国時代の鬼岩城の事情に似ていますね~。

 組織的な軍隊を作ろうという発想からしてなかったのでしょう。

 そして、いつか地上を破壊する夢想を持ちつつ、ロン・ベルクの採用に失敗したりという日々を無為に過ごしてきたのが、この数千年間のバーンの事情だったわけで~す。

4.ヴェルザー封印で一気に事情は変わる

 ところが十数年前、地上でハドラー勢力が滅んだのとほぼ時を同じくして、魔界でヴェルザーがバランに封印されました。

 これはバーンにとってもミストバーンにとっても衝撃だったでしょう。自分たちに匹敵していた勢力が滅ぼされたということは、状況次第では自分たちもそうなるということで~す。

 バランの勝利はギリギリのものだったので、老バーンが真バーンになれば逆転勝利もあり得るでしょうが、これとて絶対ではありませ~ん。また仮に勝ったとしても寿命を大いにすり減らしま~す。

 これで一気にバーンの認識は変わり、個体としては自分よりも弱いはずのバランが自分たちと拮抗していたヴェルザー勢力に勝てた理由を調査したことでしょう。

5.バラン勢力の強み

 バラン勢力の強みとは、何といっても連携で~す。

 それについて現在一番ためになる記事は、『ドラゴンクエスト大辞典』の「竜騎衆」の項でしょうね~。本章ではここから引用しま~す。

 「【ハドラー】曰く「陸・海・空の竜をあやつる屈強の竜使いであり、バランがこの3人を配下に置いた時の破壊力は想像を絶する」との事」とありま~す。

 つまりバランは個人戦でもかなり強いものの、竜騎衆とパーティを組んでこそ真の実力を発揮できるというわけで~す。これは本稿第1章の、個体としては「老バーン > バラン」だけど「バラン勢力 > ヴェルザー勢力 ≒ ヴェルザー勢力健在時代のバーン勢力」だという主張の裏付けにもなりますね~。

 さらにこの竜騎衆もまたその真の実力は連携によって生み出されているようでして、「【クロコダイン】は「こやつらが竜をあやつった時の力は我ら魔王軍の軍団長に匹敵する」と称しており、「オレたちだけではしのぎきれんかもしれん」と戦慄するほど」とありま~す。

 竜騎衆については、個人としての戦績を元にした「同格のはずなのにラーハルトだけが強すぎる!」という意見がしばしば語られていますが、このセリフを読めばそういう意見を安易に主張することははばかられるでしょう。設定に忠実に思考するなら、「ボラホーンとガルダンディーは、個人のままではラーハルトに劣るが、竜との連携が異常なほど上手」と考えるべきでしょう。

 「バランは 余にさからいうる 力を持つ 地上唯一の男」というバーンの評価は、こうした組織の能力も加味しての発言だったと考えられま~す。

6.一気に手法を変えたバーン

 バーンがバランの手法をしっかり学んで数千年間続けてきた自分のやりかたを急激に変えたことは、随所に匂わされていま~す。

 その最たる件が、組織戦の専門家であるハドラーを自陣に迎え、数千年間続いてきた序列を変更してミストバーンを越える地位を与えたことで~す。

 軍隊を作るというのは、単純な作業ではありませ~ん。

 参加すると利益になり参加しないと不利益になる仕組みをまず作らなければなりませ~ん。そのためには、背景に「国家」という複雑な利害共同体を作るか、あるいはつねにどこかで略奪をしてその獲物を気前よく分配しなければなりませ~ん。その上で、構成員に分業と相互連絡を教え込ませ、信賞必罰のシステムまで作らなければなりませ~ん。

 そうしたノウハウが一切ない状態から手探りで軍隊を作るのではなく、経験者であるハドラーに一切を任せてしまうというのは、非常に賢いやり方で~す。

 バーンがヴェルザーの敗北を知る直前まで軍隊を軽視していて、直後から急に重視したことは、このハドラーの採用時期からもうかがえま~す。

 もしも以前から軍隊を重視していたのであれば、ハドラーが健康なうちに力量の差を見せつけて配下に加えたことでしょうから。

 よってしばしば議論になる、「序盤のハドラーはバランと比べてあんなに弱かったのに、なぜ魔軍司令になれたの?」という質問への回答は、「それまで軍隊を率いたことがなかったバーンが、バランに滅ぼされないために急に軍隊を必要としたが、軍に関するノウハウを持っていそうなのがバラン以外ではハドラーだけだったから」となりま~す。

7.魔王軍の本質とは

 こうして魔王軍が作られることで、バーン勢力はやっとバラン勢力に追いつき、さらには追い越したわけで~す。追い越したからこそ、バランはバーンの同盟者としてではなく、バーンの部下として魔王軍に参加したわけで~す。

 バランの脅威を封じ込め続けるためには、バーンは隙をついてバランを粛清するその瞬間まで、バラン以上の軍団を保持しなければなりませ~ん。仮にミストバーンの自己申告通りミストバーン > 地上の全勢力」だとしても、バランがいる限りは魔王軍は必要なので~す。そしてこれこそが魔王軍の本質でした。

 だからバーンは、ハドラーが何度失敗をしても、次は粛清するだのバランを重用するだのと口先で言って彼を脅しつつも、バランが健在な間はハドラーを必要とし続けたので~す。そしてアルビナスなどの文字通りの「手駒」まで追加で与え続けたので~す。

 これに似た歴史がジパングにもありまして、直轄領同士の戦いをすると徳川家康に一歩劣っていたはずの豊臣秀吉が、両雄よりさらに弱い者たちを次々と自分の配下にしていくことで勢力を拡大し、やがては家康を配下にしてしまいました。

 豊臣政権は徳川家康を「五大老」として迎えましたが、政権にとって家康は構成員であると同時に仮想敵であり続けたわけで~す。そしてそれは、「唐入り」と呼ばれた大陸征服が始まった後も同じでした~。

 ミストバーンはこの本質を理解しきれなかったため、「鬼岩城こそがバーンの宝物で、魔王軍はバーンの心の余裕が生んだ玩具」という、本来とは逆の評価をしてしまったというわけで~す。

8.ミストバーンも多少は変わった

 前章ではバーンと比して頭が固かったミストバーンを批判しましたが、彼もヴェルザーの封印と魔王軍結成という新事態に対応して多少の変化を見せていました。

 一つは、次の憑依先を育て始めたことで~す。

 ヴェルザーが滅んだことで、老バーンもまた真バーンに戻るところまで追い込まれるという可能性を、現実的な危機として認識し始めたのでしょう。

 もう一つは、よく喋るようになったということで~す。

 元来寡黙とはいえ「必要」があれば喋るキャラだというのは、キルバーンの「必要がないと百年でも二百年でもだんまり」という発言から明らかであり、軍事組織の幹部になった以上は喋る必要が増えたと考えたのでしょう。

 また「バランとの戦いが激しくなれば老バーンは追い込まれ、自分とバーンの関係はばれてしまう」と考えたことで、機密保持という動機が弱まったのでしょう。これは鬼岩城が破壊されたときにキルバーンに止められなければベールを脱いでいたという設定とも整合性が高いで~す。

9.まとめ

 「軍隊のように組織化された集団は強いものだ」という発想で、『ダイの大冒険』におけるバーン・ヴェルザー・バランの力関係の歴史は完全に矛盾なく解決できま~す。

 のみならずこれにより、「かつてのバーンパレスの防衛は脆弱で、マキシマムにも何度も活躍の機会があった」・「同格のはずの竜騎衆の戦闘能力に格差がありすぎる」・「ハドラーはある一定期間だけバーンに非常に重用された」・「ミストバーンは突然スペアを育て始めた」・「ミストバーンは急速に饒舌になった」などの、しばしば疑問視される設定の問題も、一切合切解決できま~す。

長い歴史の知恵を捨てたランガーオ村と天地雷鳴士について、あれこれ考えてみました。

 現代人から見て古臭くなった過去の因習を変革しようとする発想を「革新主義」といいま~す。

 たとえば、「妖怪が出るから誰もあの森に入るな」という伝説に脅えずに森に入った勇敢な若者が、ライバルのいない状況下で大儲けをするようなストーリーは、この革新主義の発想を体現しているといえましょう。

 これに対する「保守主義」という発想も世の中にはありま~す。これは、長らく続いてきた制度には深い意味があることが多いので、現代人の狭い視野での判断で制度を変えると予想外のマイナスがあるかもしれないので、変革は慎重にすべきだという発想で~す。

 たとえば、「俺は妖怪なんか信じないぞ!」と宣言して古老の言いつけを無視した近代合理主義者が、後で予想外の大損をするようなストーリーは、この保守主義の精神を体現しているといえましょう。

 伝統的な作法には、深い意味があるからこそ淘汰されずに残ったものと、大した意味もないのに偶然残ったものとがあるので、一概にどちらの主義が正しいともいえませ~ん。

 以上の観点から村王クリフゲーンを分類すると、「穏健な革新派」といえましょう。偶然敗死したガガベスの遺族が迫害される様子を見てランガーオ村の慣習に疑問を持ったものの、新チャンピオンの立場でいきなり敗者にも敬意を持てと命じるのではなく、徐々に人々の意識を改革していき、20年以上かけてランガーオ村の常識を変えました。

 この改革は復讐鬼ガガイ問題の解決には資したので、「功」の側面はあったといえましょう。

 しかし「罪」も多分にあったといえま~す。

 まず狂鬼ジーガンフ事件は、明らかにこの改革と因果関係がありま~す。

 敗者も一定の敬意を受ける村だったからこそ、アロルドは大会でジーガンフに意図的に敗けるという選択への敷居が下がったのでしょうし、ジーガンフはアロルドが十分な罰を受けていないと感じたから「戦いの神に代わり このオレが お前に 天罰を与えてやるぜぇぇぇえええ!!」という気分になってゾンガロンと契約してしまったのでしょう。

 ランガーオ村はゾンガロンの復活を阻むために1200年(改変後は1300年)続いてきた村ですから、一見すると理不尽な伝統も、ゾンガロンと通謀する者をなるべく輩出しないために創られた歴史の知恵だったのでしょうね~。

 狂鬼ジーガンフ事件自体は軽い騒動ですんだものの、ランガーオ村が「勝者のみを尊ぶ」という単純な価値観を回復しない限りは、色々と余計な思考に耽る者が次々に登場し、そこをゾンガロンに利用され続けたことでしょう。そしてやがて何人目かの狂鬼により、封印は解かれたことでしょう。

 しかしクリフゲーンの評価にとって極めて幸運なことに、パドレが強制的にゾンガロンを復活させさらにすぐに謀殺しました。これにより「クリフゲーンが創った新しい風潮のせいでゾンガロンがよみがえってしまった」という、本来ならばほぼ必然だった事態は、実現する前にその可能性が突然消えました。

 結果論だけでいえば、バージョン4.2以後にふさわしい村を20年以上前から作っていたということになり、クリフゲーンはとても正しい選択をしていたということになりま~す。

 ただし非常に皮肉な話ですが、「理論はどうあれ、結果的にクリフゲーンの政策は正しいことになったのだから、彼は偉大な政治家として評価されるべきだ」と評価することは、「ステータス上はどうあれ、結果的にガガベスはクリフゲーンに負けたのだから、彼は弱者として蔑まれるべきだ」という論法と相性が非常によいといえましょう。

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 天地雷鳴士もまた近年伝統を捨て、「陽衆」と「陰衆」というくくりを廃止しました。

 これは陰衆の人権という点では「功」といえましょう。

 しかし長い伝統を廃止した歪みが出ないとも限りませ~ん。

 たとえば、以前天地雷鳴士の職業クエストとの類似性を指摘した*1、賢者の職業クエス*2を思い出してみましょう。

 このクエストでは、個人のレベルで「光」と「闇」の調和がとれておらず、どちらかに偏っている者には、賢者としての才能がないとされていました。

 こういう理由で賢者として大成できなかった者の中には、かつての天地雷鳴士に再就職して大成した者もいたことでしょう。何しろ、個人レベルでは「陽」か「陰」に偏ることが推奨され、調和なんていうものは集団レベルでカミハルムイ王家の下ですればいいという発想でしたから。

 しかし今後こういう賢者くずれは、「あなたみたいに偏った人がいると、やがてまた分業体制が盛んになり、それは特定の業務への差別を生むから、ここでも採用しない」と天地雷鳴士集団からも通告されかねませんね。

 そういう人たちが才能を発揮できる場所が他にもあればよいのですけど…。

「振るえ必殺のフライパン」をクリアーし、道具鍛冶職人レベル41~45を解放し、ヘパイトスの炎を覚えました。

 「振るえ必殺のフライパン」をクリアーし、道具鍛冶職人レベル41~45を解放しました。

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 防具鍛冶職人としてはずっと昔に覚えたヘパイトスの炎も、このクエストを通じて道具鍛冶職人の立場で覚えなおすことができました。

 おそらくこれで一気に大成功率が上がるかと思いま~す。

 金策とレベル上げをかねて、これを機に少しはハイリスク・ハイリターン商品の作成にも挑戦してみようかな~、と思いました。

翠将鬼ジェルザークIIIを倒し、翠将撃破の勇士の称号を得ました。先達の助言と特訓のおかげで~す。 & 武器スキル選択メモ その2

 翠将鬼ジェルザークIIへの勝率がかなり高まってきたので、いよいよIIIに挑戦することにしました。

 本音をいえばもう少しIIで慣れておきたかったのですが、200スキル解放が近づいてきたので、「180スキル時代のうちに勝利しておきたい!」という感情が一気に高ぶったので~す。

 まずは上手な人のブログ記事や動画をいくつか閲覧して勉強し、その後はいつものフィヤさんとアゼルさんに訓練をつけてもらいました。

 悪いクセのある動きを矯正してもらっただけでなく、料理やスキルについてもアドバイスをいただきました。

 中でも一番感動した指導は、盾スキル180を「アイギスの守りIII」から「しゅび力+20」に変えるべきというもので~す。

 星月夜は耐性重視のため、ジェルザーク用の装備の頭部に最大HP強化をつけていませんでした*1

 そんな星月夜でも、この指導に従って大成功のバランスパスタを食べて盾スキルをしゅび力重視に変えた途端に、ジェルザークのパンチ一発だけでは死ななくなったので~す。

 これを機に自分でも盾の160・170スキルを考えなおし、「その1」で発表した会心ガード・会心完全ガード・アイギスの守り」から、ジェルザーク戦に特化した「さいだいMP・瀕死時身かわし率アップ・しゅび力」へと完全に変更しました。

 他には、指アクセを封印ガードの聖守護者のゆびわから魔導将軍のゆびわに変えるよう指導され、これも実に役立つアドバイスでした。自分の実感としても僧侶はきちんと動けば封印技を受ける可能性はほぼゼロでしたし、"Priest Cafe"さんの「【完】翠将鬼ジェルザーク 僧侶装備」という記事でも封印ガードは放棄されていたので、素直に従えました。

 この特訓の日には勝てなかったのですが、その三日後に緑玉で初対面の人たちとパーティを組み、学んだことを全部活かした結果、翠将撃破の勇士の称号を得ることができました~。やったー!

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 記念撮影に一緒に写ってくれたのは、チキンさん。いわゆる「神魔戦」様でした~。