ほしづくよのドラゴンクエストX日記

画像は原則として株式会社スクウェア・エニックスさんにも著作権があるので転載しないで下さ~い。 初めてのかたには「傑作選」(https://hoshizukuyo.hatenablog.com/archive/category/傑作選)がオススメで~す。 コメントの掲載には時間がかかることも多いで~す。 無記名コメントは内容が優れていても不掲載としま~す。

ファラザード城地下牢の囚人たちの研究(後篇)

0.はじめに

 本稿は昨日の記事の続きで~す。

 ウバダバに特化した内容ではありますが、前篇の内容を前提としている部分もあるので、先に前篇をお読みくださ~い。

1.初対面時のウバダバ

 ウバダバとの初対面は5.1メインストーリーの最中でした*1。このときは「死せる大魔王は 魚を食べずに またがりますか? ゲハゲハゲハ!」と意味不明な話を語られ、大いに困りました。

 死んだ大魔王が魚を食べずに「何か」にまたがるかどうかを質問していて、そのまたがる「何か」が本人にとっては省略可能な聞き手との共通了解事項のつもりであり、その質問が本人にとっては皮肉や冗談のつもりだ、ということまでは理解できました。

 でもそのまたがる対象が不明だったので、まるで要領を得ませんでした。

 この発言はアストルティアで聞いても十分に愚かしいものですが、「死んだ魔王より生きている使い魔」という諺のある魔界での発言だったため、ますます死せる大魔王にこだわっているウバダバが愚かしく思えたもので~す。

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2.さらなる失墜

 さらに5.2メインストーリーを進めると、『亡国の記憶 ~ネロディオス覇王国~』という書に出会えました。

 この書によると、魔界の長い歴史の中で不死のチカラを持っていたのはネロドスだけとのことでした。

 思い起こせば4.1メインンストーリーでは、ネロドスにとってアルヴァンと主人公の連合に負けたときこそが初の死であり、しかもそこから復活できないまま不死のチカラをパドレに奪われ、完全に死んでしまいました*2

 よってこの本から学んだ設定により、「死せる大魔王」という立場の者が魚を食べるかどうかを主体的に決断してその後に何かに能動的にまたがったりするような事態は、5.1時代よりもさらに非常識な想定となりました。ネロドス以外にはそんな能力がなく、ネロドスにはそんな機会がなかったのですからね~。

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3.まさかの復権

 しかしその直後、主人公が大魔王に即位しました。

 戴冠式には有耶無耶な部分もあったのでジャゴヌバから正式に認められたかどうかは不明ですが、魔界の有力者たちは主人公を正式な大魔王と認めました。

 この主人公は5.0で「闇の根源の幻影」*3から、「二度死せる者」と認定されていました。

 こうして魔界初の「死せる大魔王」が現実化したので~す。

 さらにしばらくして大魔王の即位祝いとしてバルディスタから「魔界馬プリズム」が贈られました*4

 死せる大魔王は、魔界馬にまたがりました。

 こうしてウバダバが予言者であったという可能性が出てきました。

 地球でも、ギリシアデルポイの神託など、トランス状態の宗教家が曖昧な神託を叫び周囲がその内容を解釈するという形式の占いが多々ありま~す。

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4.予言者説の裏づけ

 常時トランス状態のウバダバが、解釈者の手を借りる必要のある不完全な予言者だとすれば、ウバダバの裁判をナジーンが意図的に遅らせていた件もますます納得がいきますね。予言が国益になるから生かしておいたのでしょう。

 これを裏づけるのが、「不自然な波のあるナジーンの勘」で~す。

 5.1のナジーンは、主人公が一時的にユシュカと敵対しようとも最後はユシュカのためになる人物だという勘に従って行動しており、その勘は大正解でした。

 しかし5.1の主人公と似たような立場の5.0のシシカバブについては、ファラザードへの降伏を予想だにしていませんでした。そしてちょうどシシカバブがファラザード軍に加わったころ、シシカバブの依頼でズムウル峠を荒らしていた連中を苦労して討伐するという軍事費の無駄遣いをしてしまっていました。

 また魔界大戦の勝利のカギは僅か一振りの魔剣アストロンだという常識外れの予測を立て、これもまた大正解となりました*5

 しかし本当に昔から魔剣アストロンの価値を理解していたのならば、大戦が始まってから「偵察」と嘘を吐いてまで危険を冒して一人で回収しにいく*6のではなく、平時に多数の強者を引率して絶対安全な状況で回収しにいくべきでした。

 人物評価といい武器評価といい、対象や時期によってナジーンの勘は非常に冴えわたる場合もあれば非常に鈍ってしまう場合もあるということが、上記の四例から明らかで~す。

 この「不自然な波のあるナジーンの勘」は、自身の予知能力や直感によるものではなく、不定期で曖昧なウバダバの予言を解釈することによるものであったと考えれば、極めて自然で~す。

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5.残された謎「魚を食べずに」

 さて、仮にウバダバが予言者であったとした場合、「死せる大魔王」が「またが」ったところまでは当たったわけですが、これだけでは「ゲハゲハゲハ!」につながる皮肉にはなりませんね。

 そこでこの「魚を食べずに」について、何の比喩であるかを考えてみました。

※「キリストの庇護を受けずに」仮説

 以前「『大審問官』と「大審門」の関係 そして明かされるモーモン王国と「荒野」の真実」という記事で、ジャゴヌバと魔仙卿と大魔王の三者の関係が、キリストとローマ教皇と皇帝の三者の関係に類似していると書きました。

 また地球では「キリストは神の子であり救世主である」という意味の"ΙΗΣΟΥΣ ΧΡΙΣΤΟΣ ΘΕΟΥ ΥΙΟΣ ΣΩΤΗΡ"というスローガンの頭文字を並べた"ΙΧΘΥΣ"が「魚」の意味になることから、魚はキリストの象徴とされま~す

 そして主人公は戴冠式でジャゴヌバと正式な契約を交わしませんでした。

 これらの情報を総合した観点からウバダバの発言を超訳すると、「二度死んだ経験を持つあの大魔王は、ジャゴヌバから正式な庇護を受けたわけでもないのに、偉そうに即位記念の馬にまたがるんですか? わっはっは!」となりま~す。

夕月夜「この説の弱点は、運営が比喩として使った異世界の宗教で使われる比喩表現をさらに流用しているため、暗号の度が過ぎているということですね。地球人なら解釈できても、魔界人には無理ですよ」

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※「実利を得られずに」仮説

 何かを「食べる」という行為は、実利を得ることの比喩として広く使われま~す。

 主人公は大魔王になったものの、一般人の間での知名度は低く、フィールドモンスターにはなめられ、直轄領は辺鄙で貧しいデスディオ暗黒荒原のみで~す。

 この観点からウバダバの発言を超訳すると、「二度死んだ経験を持つあの大魔王は、諸大国の傀儡にすぎず、その座にふさわしい実利を得られてないというのに、偉そうに即位記念の馬にまたがるんですか? わっはっは!」となりま~す。

暁月夜「この説の弱点は、「魚」より「果実」のほうがより適切な比喩になってしまうということだな」

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※「魔界に渦巻く復讐心を飲み込まずに」仮説

 歴代の大魔王には、魔界に渦巻くアストルティアへの復讐心が結集しました。

 主人公だけが例外的にその復讐心と一体化せず、また今後もそうであることを魔仙卿に期待されました。

 この観点からウバダバの発言を超訳すると、「二度死んだ経験を持つあの大魔王は、歴代大魔王と違って魔界に渦巻く復讐心を飲み込まなかったというのに、偉そうに即位記念の馬にまたがるんですか? わっはっは!」となりま~す。

雨月「「みんなのうらみ」を魚が象徴だなんて、まるでトンベリ族やな。ついでなので宣伝。FFXIVコラボイベント「お花大好きクポ!」が再演中なので*7、未体験のかたはお忘れなく~」

卯の花月夜「二日がかりの記事のオチがこれかよ」

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(2021年7月14日追記)

 本稿は「ウバダバは予言者」というところまでは正解でしたが、「何にまたがるのか?」では壮大に外しました。

 詳細はこの記事にて。

ファラザード城地下牢の囚人たちの研究(前篇)

0.はじめに

 本稿では、ファラザード城地下牢の囚人たちの置かれた立場について考えました。

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1.登場人物の整理

※ウバダバ・・・・・・対話不能な囚人

※ゲルケ・・・・・・・快楽殺人鬼の囚人

※ビビアロ・・・・・・結婚詐欺師の囚人

※コカード・・・・・・看守

※サバス・・・・・・・看守

※ムルゲンチ・・・・・死刑執行官

※ナジーン・・・・・・前任裁判官

※ユシュカ・・・・・・後任裁判官? 

2.法的には未決囚

 地下牢の囚人たちについては、サバスが「じきに ムルゲンチ隊長のオノで まっぷたつにされる 運命なのさ」と語っており、ゲルケが「俺は 死刑が決まってるんだ」と語っていることから、死刑囚であるかのような印象を持ってしまった人も多いかと思いま~す。

 でもコカードは「重罪を犯した者が 収監され 裁きの時を 待っている」と語っているので、法的には未決囚のようで~す。

 ビビアロが保釈金を名目にした詐欺をしようとしてくることも、この「法的には未決囚」説が正解である可能性を高めま~す。

 保釈という制度は、少なくともジパングでは未決囚に対するものであって、死刑や禁固刑が確定した者に対する制度ではありませ~ん。

 ジパングの常識を機械的に適用するわけにはいきませんが、日本語で「保釈」とビビアロがいった以上は、相当の参考になるでしょう。

 よって前掲のサバスやゲルケの発言は、判例に照らすと死刑は免れない」という予測を意味していたにすぎない可能性が高いで~す。

 あるいはゲルケについては、すでにいくつかの罪のせいで死刑判決が出ているものの、さらに別の犯罪の裁判が終わっていないのかもしれませ~ん。

3.裁判の遅延について

 彼らは5.1クリアー以後も死刑にならずにずっと収監されていますが、この処遇については「前任裁判官が魔界大戦で戦死した*1ので裁判が遅延している」と説明することができま~す。

 ナジーンが裁判を一手に引き受けていたことは、コカードが以前から語ってくれていました。なお5.2のコカードは、ユシュカが新たな裁判の責任者になったかのような発言をしてくれますが、確定情報というほどではありませ~ん。

 また5.1以前においても、ウバダバについては慢性的な混乱により対話不能な状態になったので裁判を後回しにしたと考えることができま~す。

 なお実はウバダバについてはもっと深い理由があった可能性もあるのですが、その詳細については話が長くなりすぎたので明日発表の「後篇」として独立させました。

 一方、ゲルケとビビアロの裁判5.1時代に放置していたのは不思議で~す。

 魔界大戦の前半でファラザードは籠城戦を選びました。バルディスタによる包囲が長引けば深刻な食糧不足になるのは自明でした。

 なにしろズムウル峠をならず者たちに占領されただけで一気に困窮した国ですからね~。

 だからさっさと裁判を終わらせて余計な人口を少しでも減らすべきでした。

 またバルディスタでは元死刑執行官のカーボーンを将軍にするなどの工夫をしているのですから、緊急時には牢をほぼカラにすることでムルゲンチや看守たちを戦力に回すといった工夫をしてしかるべきだったはずで~す。

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4.第一の仮説「ナジーンの性格上、戦時下でも適正手続き」の限界

 ユシュカの手記にはしばしばナジーンの頭が固いという話題が出てきますので、「ナジーンは頭が固いので、戦時下だろうと愚直に適正手続きを守った」と考えることもできま~す。これが第一の仮説になりました。

 ただし戦時中のナジーンは偵察と称して魔剣アストロンを拾ってきたりしていたので、戦時下でも頭が固いままだという可能性は低いですね~。

 またユシュカのナジーン評はあくまでユシュカ視点での見解であり、5.2で裏通りのムースに話しかけるとナジーからしばしば暗殺を依頼されていたことがわかりま~す。ユシュカの知らないところで、こうした臨機応変の汚れ役もやっていたのがナジーンなので~す。

 よって第一の仮説は、他の事情との複合としてならば正解率が極めて高いと思うのですが、「これのみが理由だった」では自己評価では不合格点で~す。

5.ムルゲンチの視線や反応の差異というヒント

  ゲルケは脱獄の手伝いを依頼してきますが、本当に手伝った共犯者を殺すというキャラで~す。

 ビビアロは結婚を望んできますが、承諾した相手から保釈金をせびるというキャラで~す。

 獄卒としては本来は三つの理由からゲルケのほうを警戒すべきで~す。

 騙されて協力した者の末路の観点からいえば、ゲルケに協力すると死にますが、ビビアロに協力すると3000万ゴールドの出費ですみま~す。

 国費や牢内の秩序の観点から見ても、ゲルケに協力者が現れるとカギや格子を壊されかねないのに対し、ビビアロの場合はそういうことにはなりませ~ん。

 さらにそもそも、可能性こそ低いもののビビアロの誘惑は今回こそ本心なのかもしれませんから、「そいつから離れろ」だなんて公務員による私人間の人間関係へのパターナリスティックな介入であり、はっきりいって余計なお世話で~す。

 それなのにムルゲンチはビビアロに騙されかけた者だけを懸命に注意し、ゲルケに騙されかけた者は放置で~す。

 以下の写真のとおり、ムルゲンチのデフォルトの向きからすれば、ゲルケのいる牢のほうが見張りやすいというのにで~す。

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 ゲルケのほうが自分で計画を暴露してしまうという迂闊さがありますが、それにしたって不自然ですよね。

 この不自然さにこそ、ヒントが隠されているのかもしれないと考えました。

6.共犯ホイホイのゲルケ

 よくよく考えたら詐欺師に3000万ゴールドを支払うことはただの被害ですが、脱獄の片棒を担ぐことはそもそも犯罪で~す。

 他人の脱獄を手伝うような者はそもそも国にとって不利益な存在ですから、そういう者をじゃんじゃん殺してくれるゲルケは、その意味においては国にとって有益な存在で~す。しかもゲルケは脱獄よりも快楽殺人のほうを優先してしまうので、結局は脱獄のほうは失敗に終わるわけで~す。

 ならば適正手続きを建前にしてなるべく長くゲルケを生かしておき、脱獄の手伝いをするような不穏分子をどんどん殺させるというのは、卑怯とはいえそれなりに賢いやり口で~す。

 そうして新しい犠牲者が出るたびに、「この事件もしっかり裁かないといけない」とかいえば、またさらに当分の間ゲルケを生かしておく大義名分ができるというわけで~す。

7.金の生る木としてのビビアロ

 腐敗した国における保釈制度は、事実上の「高額な罰金による免罪」である場合もありま~す。裁判が進行すればほぼ確実に死刑になる人物も保釈金さえ払えば牢から出られるようなファラザードは、そういう国である可能性が非常に高いで~す。

 そして連続結婚詐欺の場合、一部の被害者が納得していたりすでに死んだりしているとその被害者を騙した件については犯罪であることが立証できず、犯罪者の手元に莫大な金が合法的に残ったりすることもありま~す。

 新興国で予算の不足にあえいでばかりのファラザードとしては、ビビアロ一人を死刑にすることよりも、彼の有り余る資産から保釈金だけ払ってもらってあとはさっさと逃亡してくれたほうが、本心ではありがたかったりもするのでしょう。

 だから拘置だけして裁判を遅らせて「金を払え~」と暗黙の圧迫を加えているのだと考えれば、非常に得心がいきま~す。

 それでもさすがにビビアロに次の詐欺を犯させてその被害者の払った金を国が受け取るなんてことはできないので、ムルゲンチに特に厳しく見張らせているのでしょうね~。

(2021年8月1日追記)

 5.5後期から、この記事の執筆当時は存在しなかったパハカースという囚人が配置されました。

みっちゃん先生に便乗してアストルステーションの機関室のカウンターを調査しました。

 「始まりの塔」のボス部屋「守護鬼の間」「夢幻の摩天楼」のボスの部屋「星降る展望台」はエレベーターになっていますが、有名ブログ「みっちゃん先生のスライム狩り」の「999階の塔?」という記事によると、部屋の中にその時点における階層が表示されるカウンターが設置されていたとのことでした。

 長年このゲームをやってきた星月夜ですが、恥ずかしながら初めて知りました。勉強になりました。

 そこで何か便乗記事でも書けないものかと思ったところ、このゲームには「始まりの塔」や「夢幻の摩天楼」と似た仕組みのダンジョンがもう一つあることを思い出しました。

 クエスト「アンケートにご協力をー♪」*1で登場した、アストルステーションで~す。

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 雑魚を倒してボス部屋「ステーション機関室」の手前まで行くと、予想通りあのカウンターが見えてきましたよ~。ふふふ~。

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 ここまでは順調だったのですが、このダンジョンでは仲間の「さくせん」を変えられない仕様だとここで判明しました。

 元々の予定では「おれにまかせろ」にしてエレベーターが999階に行くまでの時間稼ぎをするつもりだったのですが、残念ながらそうもいかなくなりました。

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 仕方なく自分は攻撃も回復もせず、かつ幻惑効果のあるクリムゾンレーザーが戦士のオルタや武闘家のシャーンになるべく当たるように立ち回りました。

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 それでも180階に行く前に勝ってしまいました。さすがお子様向けのアトラクションですね~。

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 その後はいつマップから追い出されるかと心配しながらカウンターを撮影し続けました。

 やがてドラキーがあと1分で追い出されると通告してきました。

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 この「464」階の表示が、最後に撮影した写真で~す。

 別キャラでも倒す時間を変えて試したところ、やはり戦闘終了から300階ぐらい上昇すると追い出されるようですね~。

 「仲間たちの足を引っ張り、リルクリムゾンをなるべく延命させ、ステーション機関室のカウンターの数値を可能な限り高めた写真を撮影せよ!」という課題は、やり込みや競争のテーマにできるかもしれませんね。

暁月夜「遅さ比べとは新鮮で面白い。速さばかりが持て囃されるタイムアタック業界に一石が投じられたな。まずは500階を目指してみるか」

FFXIVコラボイベント「お花大好きクポ!」の再演にて、イベント用NPCが登場する瞬間を初体験。報酬もコンプリート。

 FFXIVコラボイベント「お花大好きクポ!」が8日から再演されていま~す。

1.NPC登場の瞬間を初体験

 星月夜は8日の正午にインできる立場だったので、イベント用NPCが登場する瞬間を初体験してきました。

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 ドキドキ。

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 不意に空中から出現しました~。

 これに似た体験は一年ほど前に天獄の開門をめぐっても味わいましたが*1、イベント用NPCの登場に限定するとゲーム開始以来これが初となりま~す。

 この体験からそのままの流れでクプル・コポと会話をすると、クエスト「お花大好きクポ!」のリプレイをするかどうかを「はい」か「いいえ」で聞いてくるのに、なぜかリプレイをできない仕様になっていました。しかも「せんれき」からもリプレイができませんでした。

 いったん落ちてからログインしなおすと、リプレイできました。

 この問題を修正するのがもし技術的に困難でないのなら、修正してほしいものですね~。

2.ルールの確認

 このイベントは、一日一回までリプレイ可能なクエストを達成することでサボテンダーコインまたは「強・サボテンダーコイン」を入手し、それを迷宮で使ってサボテンダーを倒すことでモーグリチケットを入手し、さらにそのチケットで報酬をもらうという流れになっていま~す。

 サボテンダーはこちらが近寄りすぎなければロクな攻撃手段を持っていないので、それさえ知っていればかなり楽で~す。

 モーグリチケットは、ボスがサボテンダーだと1枚サボテンダー強だと2枚もらえま~す。

 報酬は、「しぐさ書・サボテンダ」がチケット1枚、「モーグリの像・庭」と「サボテンダーの像・庭」が2枚、「サボテンダーマスク」が5枚、「モーグリのぼうし」が8枚で、コンプリートには18枚が必要で~す。

 コインの「持ち寄り」をすればチケットは4倍にできるので、強コインの「持ち寄り」をすればコンプリートまで3日で終わりますね。

 「持ち寄り」が恥ずかしくてできないという人も、強コインを使えば9日で終わりま~す。

 なお今回が初挑戦のかたは、おそらく初日はリプレイと併せて二回クエストをクリアーできるはずなので、その場合は上記の計算より1日早く終わりま~す。

 本日10日であり、イベントの終焉が19日なので、今からでもまだまだ間に合いますよ~。

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3.星月夜のコンプリート記

 星月夜はサボテンダのしぐさだけ、過去の再演で入手していたようで~す*2

 でも「せんれき」から見ると、他の庭具と防具は一度も所持していないことになっていました。

 そういうわけで自分に必要なチケットは17枚でした。

 8日と9日に強コインの持ち寄りをして16枚稼ぎ、本日はノーマルを一人で倒してもう1枚稼ぎ、報酬コンプリートにこぎつけました~。

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「ピュージュの上司は魔仙卿」説の根拠をまとめ、「上司はジャゴヌバ」説と比較してみました。

1.星月夜のピュージュの上司考の歴史

 星月夜が最初に書いたピュージュの上司についての推測記事は、「ピュージュの上司がナドラガ神であるという疑惑、やや高まりました。ついでに異説も紹介」でした。

 しかしこれは完全にハズレでした。3rdディスクの物語についての他の予測記事の大半はほぼ的中したので、余計に悔しかったのを覚えていま~す。これについては「3.5メインストーリー その11 ナドラガ神討伐の後日談」という記事でまとめていま~す。

 それで長らくピュージュの上司考についてはトラウマになっていたのですが、そこを何とかがんばって「魔界の情勢と『風の谷のナウシカ』との類似性。そしてそこから考える、ピュージュの立場」という記事を書き、ジャゴヌバこそが上司である可能性が一番高いのではないかと考えました。

 この「上司はジャゴヌバ説」は、自分の中で相対評価ではまだ一位で~す。

 しかしカーロウの登場以後、絶対評価では大いに点を下げました。発表当時は自己評価で正解の確率は75%程度でしたが、今では50%程度だと思っていま~す。この経緯については「5.2メインストーリー その3 王の戴冠 & 宝箱コンプリート & 通常モンスターコンプリート」という記事に詳しいで~す。

 そしてこのこともあって、それまでは「弱小の二位(自己評価20%程度)」だった「上司は魔仙卿説」が「強力な対抗馬としての二位(自己評価40%程度)」へと急浮上しました。

 さらには数日前に相互フォロワーである「ゆう デス」さんのツイートに影響を受けて、「限りなく一位に近い二位(自己評価45%程度)」ぐらいまできました。

2.本稿の目的と構成

 そこでそろそろこの魔仙卿説についても、しっかり根拠をまとめておこうと思いました。

 ただしこの魔仙卿説の根拠が一見いかにもっともらしく見えても、自分にとっては所詮はまだ二位のものである理由も示すため、ジャゴヌバ説側からの反論も示しておくことにしました。

暁月夜「一人相撲はつまらないだろうから、魔仙卿説を本気で支持する私がこの説を代筆するぜ」

夕月夜「ならば対抗してあたくしが御姉様のナンバーワンの立場を代弁いたしますわ」

雨月「雨月は残り5%の「その他」説に賭けるで~」

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3.大魔瘴期という観点

 魔仙卿は大魔瘴期を怖れており、かつそれを防げるのは主人公だけだと評価していた。だから主人公を自然な形で魔界に招き寄せるために、ピュージュに盾島の門を開けさせようとしていたんだろう。

 対して大魔瘴期が来れば自然にアストルティアを滅ぼせるジャゴヌバとしては、無理に門の開通を急ぐ必要はないな。

(ジャゴヌバ説派からの反論)

 お人よしの主人公を利用したいのであれば、最初から頭を下げて事情を詳しく説明するのが一番です。

 それに「大魔瘴期が来ればアストルティアも滅ぶ」設定は、盾島が開通したからこそ成立した可能性もあります。

 だって本当に何もしなくてもどうせアストルティアを早晩確実に滅ぼせたのであれば、そもそもこの大事な時期の直前にマデサゴーラを大魔王に任命して侵略をさせて勇者と盟友を覚醒させてしまうような悪手はとらないはず~。

4.生き返しという観点

 ピュージュのそのまた部下である偽マリーンは、生き返しの術を受けた者を探していたな。最初から元エテーネの村人に並々ならぬ関心があったとなると、やはり中身が主人公の兄弟姉妹である魔仙卿が上司なんじゃないか?

(ジャゴヌバ説派からの反論)

 兄弟姉妹は本人時間で魔仙卿に就任する前に、主人公がどのように転生していたかも知っていて、少なくとも時獄の迷宮に乗り込むまでは無事であることも知っていました。だからあえて部下に一生懸命主人公を探させる動機は弱そうです。

 それにプクリポのメインストーリーでエイドスから語られた公式設定によれば、エテーネの村が滅びる前から生き返し事件は多発していたのですから、主人公を探すために「特徴は生き返しだ」とだけ教えるのは、あまりにも大雑把です。

5.捨て駒という観点

 ピュージュは敗北時*1に「あれれ おかしいな? ボクたちは…… どうして 負けたんだろう」と発言している。主人公を思いやる兄弟姉妹が、ピュージュ製作時に主人公と戦うときだけ弱くなる仕掛けを密かに組み込んだ可能性が高い。

 そして兄弟姉妹は魔界の価値観に染まる前から、ハナちゃんやニコちゃんといった自分で量産した意志ある生物たちをどんどん捨て駒にしていた*2*3*4

(ジャゴヌバ説派からの反論)

 捨て駒にふさわしいピュージュの弱体化システム自体はあった可能性が高いですけど、気球の場面では主人公をあと一歩で殺せるところまで攻撃していましたから、あの弱体化は単に門を開くための儀式で力を使い切っただけだと思います。

 兄弟姉妹が本当に主人公の身を案じていたならば、主人公だけは絶対攻撃しないような仕組みにしたはずです。

6.呼び方の観点

 「あのお方」という呼び方は、長らく機密保持のためだと思っていたが、各プレイヤーが自由に名前を決められる相手だからこそ曖昧な表現になっていたと考えることもできるな。

(ジャゴヌバ説派からの反論)

 ネルゲルもマデサゴーラも上司の固有名詞をあえて呼ばなかったのですから、そういうお作法なのではないでしょうか。

 それに上司の名前を隠していたのはアンテロも同じです。

 さらに単にプレイヤーが決めた兄弟姉妹の固有名詞を会話中に出したくないのであれば、運営なら「兄弟姉妹はピュージュにはポカパマズという偽名を名乗っていた」という設定を作ることだって簡単にできます。

ゼクレスから大魔王が出にくい原因を、なるべく典拠つきで考えてみました。

0.はじめに

 『魔導の王国 その歴史』には「長く 大魔王を輩出せざる ゼクレス魔導国」とありま~す*1

 ゼクレスから大魔王が出にくい原因については、いくらでも想像をたくましくすることができますし、また単なる偶然の可能性もありま~す。

 でもそれでは際限がなくなるので、最低限の典拠のある範囲内で想像をしてみました。

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1.候補者の質と量とを下げる徹底的な階級制

 ゼクレスは階級制が厳しいので、魔王以外の者には基本的に大魔王への挑戦権はないようで~す。挑戦したい人物がいても、徹底的に潰すのでしょう。

 だからもうこの時点でゼクレスからの候補者は一名に絞られてしまい、当然ゼクレスの出身者が大魔王になる確率は低下するわけで~す。

 しかもその魔王が壮健とは限らないので、ますます大魔王に選ばれる可能性が低下してしまうので~す。

 候補者の「量」の問題については主に次章で続けて語りますが、この「質」の問題の最大の根拠は、宝物庫の「魔仙卿の錫杖」*2の紹介文にあった「大魔王選出の儀に向かう途中 病に倒れ ゴダ神殿にて息絶えた 当時のゼクレス王」という部分で~す。

 「急病に倒れ」ではないので、元々半病人のような状態の魔王だったのでしょう。

 たとえ原則は世襲制の国であっても、ゼクレスほど極端でなければ、そんな状態の魔王に無理はさせないでしょう。親子の一時的な地位の逆転が予測されようとも、王太子あたりに大魔王を目指させるのではないでしょうか。太子に限らず複数の王子に目指させれば、ますます確率は上がるでしょう。

 でもそういった妥協を一切せず、たまたま大審門が開きそうなときに魔王だった人物に無理をさせてきたのが、ゼクレスの歴史なので~す。

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2.名目上の候補者という援軍すら禁止

 しかもこの「魔王以外のゼクレス人は大魔王への立候補禁止」法は極めて徹底的なものであり、たとえ名目上の立候補という形で魔王を支援することすら禁止のようであり、それは序列第二位にすら適用されるようで~す。

 その根拠は5.0におけるエルガドーラの行動で~す。

 もしも魔王以外のゼクレス人でも名目上の立候補なら許されるのであれば、エルガドーラはあの性格ですから自らも候補者となってアスバルを援護しまくったことでしょう。仮に念のため自分は国内にいる場合でも、信頼できる部下を名目上の候補者に仕立て上げたことでしょう。

 でもエルガドーラが援軍として採用したのは、非ゼクレス民であるシシカバブでした*3。このせいでかえってアスバルの足を引っ張ってしまった上に、ファラザード軍を強大化させてしまいました。

 この事件の当時はエルガドーラが無能すぎると思ったものですが、あれはゼクレス法に違反しない範囲で最大限の援助をしたいという、強い親心によるものだったのでしょうね~。

 ベルトロと数名の兵は名目上の候補者になってヴァレリアを援護していましたが、もしもこの種の行為がゼクレスでも合法だったならば、大魔王になれたはずのゼクレス王ももっといたかもしれませ~ん。

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3.強大な貴族たちの掣肘

 「魔王以外のゼクレス人は大魔王への立候補禁止」法が厳しいと書くと、いかにも王権が強そうに思えますが、序列一位のアスバルと二位のエルガドーラが組んだ状態でも「今回は例外」と宣言できなかったということは、王権はむしろかなり弱く、この法は魔王に対する拘束でもあるということを意味しま~す。

 貴族の中には王家と自家の勢力が一層隔絶してしまうことを快く思わない者も数多くいるからこそ、ある種の妥協としてこの制度が長らく維持されてきたのでしょう。

 王権の弱さと貴族の強さの根拠は、貴族制廃止を目指したイーヴ王が貴族との政争に敗れて監禁され最後は殺されてしまったという歴史と、魔王であるアスバルをしもべにしようと企むリンベリィの態度で~す。

 こうなってくると大魔王選定の儀の時代のゼクレス王と不仲な貴族の中には、別の有力候補を密かに援助していた者もいたかもしれませ~ん。

 思い起こせば、エルガドーラほどの有力者がシシカバブにかけた呪いが不完全で逆にアスバルを苦労させたという物語も、かなり不自然でしたね。あれも本来は完璧な呪いだった状態に、面従腹背の貴族が余計な付加をしたのかもしれませ~ん。

 ジパング鎌倉幕府室町幕府においても、自らは決して征夷大将軍の地位を目指さないものの、その将軍が朝廷における官位を上昇させていくことを快く思わない有力者が多かったといいま~す。

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4.自国で厳しい事前審査

 魔仙卿の課題は毎回異なるという設定なので、5.0のように「知の試練」が非常に簡単な回も数多くあったことでしょう。あるいはもっと簡単であったり、そもそも知を問わない回すらあったかもしれませ~ん。

 ジャディンの園での性格検査*4にも、同じことがいえま~す。

 でも5.2で判明したように、自分たちで勝手に知力・威厳・性格の三点に関する厳しい事前審査を魔王に課しているので~す*5

 若くして即位したばかりだけれども類稀なる才覚を秘めた少年王の中には、大審門まで行きさえすれば本来は大魔王になれたのに、ゼクレス流の事前審査で躓いてしまったという者も、多くいたかもしれませ~ん。

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5.本能的復讐心を和らげる強い郷土愛

 5.2の魔仙卿の発言によれば、魔界にはアストルティアから分断され厳しい環境に追いやられたことに対する復讐心が渦巻いており、それが大魔王に結集するシステムのようで~す。

 でも自分たちこそ最高だと思い込んでいるゼクレスの上層部では、アストルティアへの羨望みたいな感情は概して弱いでしょう。

 しかもその郷土愛は単なる独りよがりのものではなく、『ゼクレス名所探訪』に書かれているとおり、魔界には珍しく実際に「美しい自然の営みも 存在している」ので~す。

 この郷土愛の最大の根拠は5.2のリンベリィのセリフ「よりによって アストルティア!? ヤダッ おぞましい!」で~す*6

 ゴダ神殿までなら実力で行けたゼクレス王の中には、アストルティアに対する征服欲の弱さを最終面接で見抜かれたことで大魔王に選ばれなかった者も、数多くいたかもしれませ~ん。

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6.簡単にアストルティアに行ける立場

 復讐心とは別の動機でアストルティアに行きたがる者も魔界には数多くいるでしょう。

 そういう魔族が自力ではアストルティアへの魔法の門を作れなかった場合、まずは偉くなって部下に門を作らせようとすることでしょう。魔力が高く門作りの知識もあるような部下がなかなか集まらなかった場合、いっそゼクレスに門を作れと命令できる立場である大魔王を目指そうと努力するかもしれませ~ん。

 でも魔術に秀でたゼクレス魔導国では、かつて自国が開発した儀式でかなり簡単にアストルティアへの観光ができるというわけで~す。魔王自身がたまたま魔力の才能が低くても、ゼクレスならば同時代に門を作れる部下がいる可能性が高いわけで~す。

 その根拠は、個人の立場でアストルティアに行ったイーヴ王とアスバルの実績で~す。

 前掲『魔導の王国 その歴史』に紹介された「ゼクレス王家に連なる 魔導士」が、魔法の門の魔術を開発したのが具体的にいつごろであったかは不明ですが、この開発以後はますますゼクレス王は動機の点で最終面接で落とされやすくなったことでしょう。

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(2021年7月13日追記)

 ゼクレスが不利な理由、また一つ明かされました。詳細は本日の記事にて。